エンゲージリングⅣ

 僕は、その後よく考えた。彼女は約束した女の子ではないと自覚しているに違いないと思ってしまった。


 授業が終わり、放課後になった。彼女を教室に呼び出すようにした。約束通り教室に行こうとした。しかし、彼女の姿がなかった。


 1か月前、帰るときに彼女の兄に会った。


 「千春、ずっとお前のことについて引きずっているんだ。お前、千春になんかしたんじゃないだろうな。」

 

 彼女は2か月間、ずっと抱え込んでいる。もしかすると思い、屋上にいた。急いで屋上に行った。屋上には彼女がいた。


 彼女は悲しそうに空を見上げていた。まるで失恋したかのように・・・。


 彼女は屋上から飛び降りようとしている。僕は止めようとしたが、間に合わなかった。


 「私じゃない。約束した女の子は別の子だよ。お兄ちゃんをよろしくね。」


 と彼女はそれを言い残して、屋上から飛び降りていた。


 僕のせいで彼女は死んでしまった。告白して失恋したあの時よりも泣き崩れてしまった。


 

 

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