お留守番

―― スマイル団アジト ――



「じゃあ、行って来る」


「うん……」


「もっとニコニコしろよ。遠征と言っても、ジャックや、オリバー達も一緒なんだから、心配は無い」


「うん……。これ、お弁当。日保ちする物にしたから、少しずつ食べて」


「ああ、ありがとう」


「…………」


「? 何だよ?」


chu♡


「ふ……。じゃあ、留守を頼んだぞ」


「うん、気を付けて」



チョコン


(よし!情報通り、今なら、スマイル団の守りは手薄だ……!)


チョコチョコ……



(あーあ……クーヤと一週間も離れるなんて、寂しいなぁ)


チョコチョコ……


「んんっ!?」



「あの……何してるの?」


「はっ!(チョコン)」


ぴたり。


「み……見つかっては、しょーが無い!俺はカズマ。ハマー様の命令で、モモちゃんをさらいに来た!(チョッコリ!)」


「えぇっ!?」



「とゆー訳で、モモちゃん、お覚悟!(チョッコリ!)」


「わわっ!てゆーか、誰よ、ハマーって?」


「モモちゃんが、空の上で、かめ●め波をぶつけた相手だ!(チョコン)」


「あぁ、あの時の……」


「さぁ!大人しく、俺に捕まるんだ!(チョッコリ!)」


「…………そーゆー悪い子は……ウフッ」


「わー!何をするだァーッ!」




―― 魔王城 ――



(遅い……!)


イラッ


(今なら、スマイル団には、男手は居ない筈。カズマの奴、何を手間取っているんだ!?)




―― スマイル団アジト ――



「カズマちゃん、ご飯よぉー」


「うぅっ……それより、この首輪、取ってよぅ」


「駄ぁ~目。それに、貴方が居たら、ハマーさんが来るかも知れないしねぇ~?」


「なっ!?モモちゃんには、クーさんが居るジャマイカー!」


「グフフ」


「うわぁーん!」




~ 一週間後 ~



「モモ、帰ったぞ」


「クーヤぁ~!お帰りなさいっ!」


「留守中、何事も……って、何だ?そこに居るチョコンとしたのは?」


チョコン


「あぁ、この子?クーヤが居ない間に、私を誘拐しに来たから、逆に人質にしたの」


「ブワァ(号泣)」



「………………。


 放してやれよ……」


「そぉ~?……まぁ、クーヤがそう言うなら……」


「ありがとう、クーさん!(チョッコリ!)」



「カズマよ、達者でな」


「これ、おにぎり。帰る途中に食べなさいな」


つ梅

つおかか

つ昆布


「ありがとう!(チョッコリ!)モモちゃんとクーさんも、元気でね!」




―― 魔王城 ――



「ハマー様ぁ~!」


「カズマ!待ち侘びたぞ。一体、何日掛かったんだ。……で、首尾は?」


「それが、/(^O^)\アッーで……(チョコン)」


「――――…………―――…………――……―――………そうか。下がって良いぞ」


「はいっ!」


チョコチョコ……


「………………ふっ」


ハマーは、涙目で、常備薬の胃薬を飲み干した。




~ 月末 ~


「ハマー様、大魔王様から、今月の給料明細を預かって来ました(チョコン)」


「うむ、ご苦労」


『ピリリ……』



今月の給料 5万ゴールド



「……………………ファッ!?」



(て……手取りが5万だと!?い、いつもの1/4以下ジャマイカ!……俺は、来月、どう生活すれば…………!?)


『ドシャアァン……!』


ハマーは、音を立てて、床に崩れ落ちた――。

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