ふわふわなミライ

 僕のふわふわな未来はこうして作られた。

 ふわふわしたもの、それはつかみどころがないけれど、僕を自由にしてくれた。

 いつのまにか空の高いところから白い雲が僕のところにやってきた。

 僕はそれをつかんで階段のよう登りながら、ふと家の方を見た。

 玄関が開いて、お母さんと僕の知らない人たちが少し大きめのダンボールを持って出てきた。

 玄関の前に止まっていたワゴン車にそのダンボールを乗せようとしていた。


 なんだろう?


 今日は迚も青なんだ

 白い雲を掴みながら

 空気をいっぱい不自由なくすいこんで

 ふわ~っっと吐き出した

 吐き出した空気は

 突風のようになって

 下のお母さんぶつかったようだ


 お母さん

 ダンボールごと倒れたね

 ダンボールの中の形骸が

 あなたに

 おんぶしていた

 ああ

 子供の頃

 一度だけ

 おんぶしてもらって以来だ

 もう僕は

 そこにはいないけれど


 いままでのように

 僕は不確かな

 造形の中ではなく

 この雲の先の

 ふわふわな

 ミライを生きるんだ





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

奇妙な僕とふわふわなミライ 夏洲(かしま) @karyoubinga

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ