奇妙な僕とふわふわなミライ
夏洲(かしま)
奇妙な僕
ある日
僕は
この家を出ていくことになった
僕は
よく、病気なのだから
具合いが悪いのだから
静かにしていなさい
家の人たちから
そう言われていた
僕の部屋は狭い
手足を伸ばすには
抽象画のような複雑な形を造形する
ある日
身体がどうにも
動かなくなって
なにか
内側から
グワっっと吐き出されるように
僕は
僕の部屋から出ることができた
ああ、なんて
身体が楽なんだ
こおおして、手足を伸ばして
と思ったら僕は
ふんわり
浮かんだ
浮かびながら周囲を見渡すと
小さな
窓があった
外、見える
わー、久しぶり
お父さんいたときは
散歩に行ったけど
部屋にこもってからは
なかったなー
散歩
外に行きたいなと思ったら
外に出ていた
ふわふわしたまま
部屋の小窓を覗き込んだ
出てくるときは
フワッと出てきたのに
中には戻れないんだ
変だよ
まー、
戻りたくもないけどね
だって
こんなに明るくって
空が広いんだ
僕はそんな感じで
家の近くで、3日過ごした。
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