作者と読者と感想について

@hemFe

第1話

私は読み専である。

ちろちろと駄文を書いたこともあるが、スマホのメモ帳を埋めるばかりで、どこかに公開したことは一度もない。

ただ、私は感想を書く読み専である。



私が読むのは長編が多い。それも、すでに長編となったものを一気読みするのが好きだ。その中で、私が感想を書くタイミングは主に三つある。

一つは「この話は特に面白い」と感じた時の賞賛の感想。

二つは「この話のここは引っかかる」と感じた時の批判的な感想。

三つは作品を読了(完結、長期連載停止した作品)したときの総評的な感想だ。


結果的に、連載中の作品で、特に賞賛するほどではないが普通に楽しめる程度の作品の場合、私の感想は批判的なものばかりになったりもする。

はっきり言ってタチが悪い。嫌われるのは分かる。私も作者を不快にさせたいわけではないので、批判的な指摘とはいえ、内容や表現は気を回したりする。それでも不快なのは重々承知である。


ではなぜ書くのか?と言われたら、それは「賞賛の感想を書きたいから」だ。良い作品に良いというには、良くないと感じた時に良くないと言えねばならないように、私はなんとなく思っている。……本当はもう少し言語化しているのだが、本筋ではないので置いておく。


では本筋は何かというと、感想に対する作者の返信の、ある一部のそれについてだ。



批判的な感想があった場合、反論なり受容なり、内容に応じて様々な返信がある。

「参考にさせていただきます」と流されたり、「合わないようなら読まなくて結構です」とつっかえされたりもする。


私はそこになんの不満もない。私は私なりに誠実に感想を書いているし、作品を書き上げ公開する作者への尊敬と、ただの一読者に過ぎない自身の立場への理解はある。

なので、批判的な感想が撥ね付けられたことを不満に思うなどと烏滸がましいことはできないのだ。


が、その中でどうしても不満に感じてしまうものがある。


それは、感想を書いた人間をブロックすることだ。特に、返信した上でブロックすることだ。



嫌いな人間、関わりたくない人間をブロックするのは仕方ない。ブロック機能とはそういうものであるし、それもまた作者の自由だ。そうした自衛をしなければ健全に執筆できないという側面もあるだろう。


が、それでも、感想に対して作者が返信をし、その上でブロックするのはどうにも不満に感じる。

ブロックするならすればいい。返信するならすればいい。しかし、返信した上でブロックするのは、それ以降の関与を封じた上で一方的に言葉を置いていくのは、いささか卑怯な振る舞いではないか。


なにも、反論させろと言っているわけではない。基本的に私は作者を不快にさせたら謝っている。感想で議論がしたいわけでもない。

ただ、完全な拒絶をするな、するなら返信をせずに拒絶しろ、と思うのだ。


特に、今までこうしてブロックされたケースは3件(被ブロック自体が今まで3回)(なお感想を書いた作品は200は下らない)なのだが、そのどれもが、些か作者の人格面に疑念を抱いてしまうような返信内容であったのが私の不満を強くしているかもしれない。


そうしたケースは必ずマウントを伴うのだ。ざっくりいえば、「お前の指摘は全くの的外れです、そもそもお前の感想クソ過ぎ、感想を書くなら弁えよ?w」といった風。

読者をブロックする時点で読者を選好する立場、読者に対する優位を意識している作者である可能性は高そうだが、そうしてできた彼らの褒め言葉だらけの感想欄を見ていると、なんとも薄寒い思いをしてしまうものだ。



まぁ、私は私の感想が何か作品をよくしているとか、そんなんじゃいい作品を書けないぞ!だとか思っているわけではなく、そうした作者が極めて面白い作品を描くこともあるだろう(なお先の3件はほどほどの評価をされている)と思う。


私のような読者がいるように、作者にもいろんな人間、いろんなスタイルがあるもので、その中でこうした摩擦が起きるのはある意味避け難いものでもあるとは思う。摩擦を起こしたもう片方の人間として、私自身にもいくらでも落ち度はあるだろう。


そもそも、無料で他人の作品を読ませてもらっているのだ。半端に完成度を求めるような感想を書く方が筋違いなことも多いだろう。


それでも、不満に思ってしまうのは抑え難く、かといって誰かにぶつけられる不満でもないので、こうして駄文を一つ転がしておくことにした次第である。


なお、この文書への感想はどんなものでもいくらでも甘受するのでどうぞお気兼ねなく。








……ところで、私は基本的になろうとカクヨムを主に利用しているのだが、カクヨムの感想欄は「応援コメント」欄らしい。応援するコメントだけを書くことができる……らしい。

それってどうなの?と思わないでもないが、そういう場に需要があるのは分かるし、そこで「感想欄」の使い方をしている私は、なるほど、他よりずっと迷惑な人間であるだろう。先の3件のうち一つがカクヨムなのだが、そこは私側の落ち度を強く認めるところだ。まぁ、謝ろうにもブロックされているが。

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