魔法は人間のロマン

魔法。

それは、魔力を消費することで発動することが出来る術であり、この世界では当たり前のように存在する概念でもある。

ま、要は科学みたいな感じで、ザ・ファンタジー的な世界観である【ハニー・ハニー・ハニー】でも魔法は存在していて


フレーズ「魔法の授業って凄くファンタジーっぽいね!!」


私達の通うエトワール学園で、魔法の授業が行われてもおかしくはなかった。


ココ「仕方ないよ。ここはナーロッパなんだから」

フレーズ「アハハ!!だよね〜」


ちなみに、魔法の授業を担当しているアントーニア先生は..........エルフである。

もう一度言おう、エルフである。

まぁ、何せ【ハニー・ハニー・ハニー】には,エルフの他にドワーフやら人魚やらがいるからね仕方ない。


アントーニア「魔法というものは、極めて繊細かつ危険なものだ。故に、我らエルフ族が魔法を制御するため、あるものを生み出した..........」


そう言うと、アントーニア先生は細長い杖を使い、空中に何かしらの言語をなぞるように書くと..........そこには、ルーン文字のようなものが描かれた魔法陣が浮かんでいた。


ココ「なるほど、アレが【術式コード】なのね」

フレーズ「あ〜。そういえば、そんな設定があったような....?」


術式コード

それは、魔法を発動させるために必要なプログラムであり、魔法の暴走を防ぐ安全装置的なものでもある。

そのため、【術式コード】一つ一つに魔力が込められているので、下手に扱えばトンデモないことになるのは言うまでもない。


アントーニア「言葉というものには、何かしらの力が宿っている。時に人を傷つけ、時に人を殺し、時に人を安堵させる...........つまり、言葉というものは、姿形の獣のようなものなのだ!!」


そう力強く叫ぶアントーニア先生は、再び、魔法の杖を使って【術式コード】を書き、魔法陣を呼び出すと.................私達の目の前で魔法を発動した。


アントーニア「クリエイト・アイス!!」


するとその瞬間...........魔法陣の上から、水晶のように美しい氷が現れた。


フレーズ「何あれ!?スッゴ!?」

アントーニア「今のは初級魔法の一つでな、〈クリエイト〉が創造、〈アイス〉が氷.................ま、要は氷を創造するように【術式コード】を組み合わせたのだ」


なるほどなるほど、つまり、魔法は術式コードの組み合わせ次第ってわけね。


アントーニア「というわけで、【術式コード】を使って魔法を発動させるのが、今回の授業だ。だが、魔法というものは【術式コード】を使えば安全に使える..........ということではない。このことだけは忘れるな」


こうして、魔法の授業が始まるのだった。




☆☆☆



ココ「クリエイト・アクア!!」

フレーズ「クリエイト・シャイニング!!」


校庭にて、魔法の練習をする私とフレーズ。


ココ「それにしても..........この世界の魔法って、まるでコンピュータのプログラムみたいね」

フレーズ「それ思ったわ」


あ、フレーズも思ってたのね。


フレーズ「でも....こういうのって、ラノベみたいな展開でめっちゃ楽しいんだよね!!」

ココ「分かる〜」


前世がオタクで、しかも今現在、好きなゲームの世界の世界に転生した、私とフレーズからしてみれば、楽しい以外の何でもないからなぁ。

そう思いながら、魔法の杖を使って術式コードを書いている私だったが.................


ココ「.........」


ふと、あることが気になった。


フレーズ「ん?どうかしたの?」

ココ「ねぇ、フレーズ..........ってまだ書ける?」


フレーズに向け、ニヤリと笑いながら言う私。


フレーズ「漢字?まぁ、書けると言えば書けるけど..........ハッ!!ま、まさか!?」


私の言葉の意味を理解したのか、フレーズは驚くものの..........その数秒後には、私と同じようにニヤリと笑っていた。


フレーズ「確かに、言葉には力が宿ってるって昔から言うもんね」


ウンウンと頷きながら、そう言うフレーズ。


ココ「でしょ!!でしょ!!」

フレーズ「でも、バレたらどうするの?」

ココ「その時は親のコネを使うまでよ」

フレーズ「くぅ!!さすがは公爵家の令嬢!!金で物を合わせるなんて.................痺れるなぁ!!」


いや、うん、合ってると言えば合ってる。


ココ「まぁ、〈バレなきゃ犯罪〉ってよく言うしね」

フレーズ「だね!!」


そんな会話をした後.................私とフレーズは、アントーニア先生やクラスメイト達にバレないように移動し、【術式コード】の代わりに漢字を使うという挑戦を行うことにした。


ココ「さてと、それじゃあ..............やりますかね!!」


まず最初に、魔法の杖を使って〈水〉という漢字を書いたところ.........魔法陣から水の球体が出てきた。


フレーズ「わぁ!!【術式コード】を使った時よりもデッカい!!」

ココ「うわぁ〜、これもラノベにありそうな展開だな〜」


オタク心とテンションが爆上がりの状態で、思わずそう呟く私。

..........この状態の魔法陣に漢字を書き加えたどうなるのかな?

そう思い、試しに〈刃〉という漢字を書き加えてみると


「「!?」」


さっきまで、球体みたいになっていた水が..........何と、刃のような形に変化したのだ!!


ココ「どうしてそうなった!?」

フレーズ「ココちゃん、これって.................ゲームとか、ファンタジーとかの技でよくある、カッターってやつだよね!?」


刃は刃でも、カッターの方の刃なの!?


ココ「..........もう一文字書いてみよっと」


恐る恐る、魔法陣に〈放〉という漢字を書き加えると、今度は水の刃が放たれ.................周りの木々をものの綺麗に切断していった。


ココ「攻撃力半端なさすぎぃ!!」

フレーズ「ここまで来たら、もはやドン引きレベルだよ」


うん、それは私も思ったわ。


フレーズ「よし!!じゃあ次は私だね!!」

ココ「慎重にやりなよ〜」

フレーズ「大丈夫!!大丈夫!!」


どうしよう、不安しかないんだけど。

この時の私は、そんなことを少しばかり思っていた。

いたんだけど..........


フレーズ「フレーズ!!行きまーす!!」


私のの悪い予感が当たったのか、フレーズが〈光〉〈波〉〈放〉という三つの漢字を書いたことにより、魔法陣から、どこぞのスーパーな宇宙人が放ちそうな必殺技が放たれ....................その結果、魔法が放たれた方向だけが綺麗さっぱり削られ、誰が見てもヤバい状態になっていた。


ココ「............フレーズ」

フレーズ「..........うん」

ココ「とりあえず..............逃げよっか」


その後、このことがアントーニア先生にバレ、当たり前だけど、私とフレーズは怒られたのだった。

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悪役令嬢(転生者)と主人公(転生者)が仲良くならないなんて誰が言った? @marumarumarumori

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