第14話 階段怪談の悩み

 よく花子さんの怪談って聞くじゃない?

 うちの学校にもそんなのがあるの。


 うちの学校はイジメを苦にして屋上からダイブした女の子が、ずっと飛び降り続けるってやつなんだ。

 最初は、ただの落ちる霊だったのに名前がないもんだから、いつの間にか『花子さん』って名づけられたみたい。


 その花子さんがこの学校を恐怖で支配していたのは今は昔。

 今の子供たちはほとんどが知らない廃れた怪談の一つになったの。


 しかし花子さん、それが気に食わないみたい。

 うちの学校にあった他の怪談『動く人体模型』『首なし二宮金次郎』『夜中にプールに生える手』『校舎に出てくる火の玉』『体育館でひとりでに跳ねるボール』、私たち『十三階段』。それぞれ協力しあって怪談として進化しようって話になって……。


 火の玉って浮いてるでしょう?

 花子さんはそれに捕まって、飛び降りた後そのまま屋上に戻ってるって。


 それで火の玉と花子さんが協力した結果、生まれたのが『火の玉エレベーター』だって。


 みんな苦労してるのね、で、私たちはどうしたらいいかな?

 十二階段? そんなのいつものようにただの数え間違いって言われちゃうよ。

 なんかパンチがあるの考えよう。せっかく十三段もいるんだから!

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