第19話 熊妖精になったのね
それはまだ〈
私が気分転換に散歩をしていると、一頭(?)の
(クマのプー子?)
子供の頃、そんなアニメを見た記憶があった。
別のアニメ作品へのゲストキャラだった気もする。
「確か『ベアマン』だったかな?」
言葉にすることで、次第に記憶が
主人公は
彼はある日、
装着することで、くまクマ熊
くまクマ熊
作中には『コピーベア』という、身代わりに使う熊のヌイグルミが登場した。
色は1号が白で2号はオレンジ、3号はピンクで4号は記憶にない。
3号は唯一の女の子『ベアマン』で通称『プー子』と呼ばれていた。
私が見付けたのは『プー子』の持つ『コピーベア』に似ている。
(でも、
「よし、追い掛けるわよ!」「モキュッ!」
私の言葉に店長が呼応する。
退屈だったのか、ヤル気十分のようだ。
(『TIGER&GRIZZLY』だった気がする……)
もしかしたら、
どちらにせよ、隙だらけである。
「ワイルドにモフるわよ!」「モキュキュ!」
「ク、クママママママッ!」
それが
◆◇◆◇◆
ニンクルラの件の他にも、色々とやらかしていたようだ。
王宮内でも、そのことが露見しつつあった。
史実と食い違ってしまっているが、この
どうせ
また一度、
そんなことを必死に
ニンクルラよりも、強者を
しかし、ニンクルラが姿を現すと態度を
彼女が自分よりも優位な立場にいることが許せないのだろう。
姉がどんなに
さっきまでの
一方で自分が嫌われていたことに
私と出会った頃の彼女なら、
けれど、妹の言葉を必死に受け止める。
短期間だが、彼女の中で変化があったらしい。
また、私の存在も大きいようだ。
信じられる神がいるということは、それだけで力になるのだろう。
ニンクルラは彼女を許して欲しいと私に
だが、それは逆効果だ。
ニンスィキルにとっては、姉が自分より上の立場にいることが、どうしても許せないらしい。激しい剣幕で姉を
今まで近くにはいたが、
双子の姉がいたお陰で、理不尽にはなれている。
涼しい顔で聞き流すことも出来た。
しかし、
終始、にこやかな笑顔ではあるのだが、これは相当、怒っているのだろう。
能力が暴走して、辺り一帯が火の海なっては
もう少し
私は
彼女を抱き締めると、
「あなたを許します」
と私は
後は彼女だけの価値を認めてあげればいい。
「ニンスィキル、あなたにしか、頼めないことがあります。あなたにしか、出来ないことがあるのです」
私は更に続けた。この手合いの
ニンスィキルの心に、私の言葉が響いたワケではない。
ただ、この
「わたくしからも、お願いします」
というニンクルラの言葉が後押ししたようだ。
彼女にとって『姉が自分に頭を下げる』ということは喜びらしい。
姉が嫌いであると同時に、姉の存在に依存してしまうニンスィキル。
心が
表には出さず、内心で
「クマーッ」「クマクマ」「クマーッ!」「クマクマクマクマ?」
と黄色い熊のヌイグルミたちが部屋に入ってくる。
どうやら、
戸惑っているニンクルラ姉妹に、
「たぶん神官たちよ」
熊妖精になったのね――と私は説明する。
ニンスィキルを利用しようとしていた連中だ。
用がなくなったので、
ニンクルラ姉妹としても、突然のことに状況を理解できないでいる。
だが、超常の力は感じ取ったようだ。
神官たちが熊のヌイグルミになったことを信じてしまった。
それに対し、ニンスィキルの顔は一瞬にして青くなる。
土下座の文化はないハズだが、彼女は頭を床に
どうやら、私の言うことに無条件で
思っていたのとは違うが、結果オーライのようだ。
ニンスィキルが私の信者になった瞬間である。
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