第12話 店長が黙っていない
〈
私としては概念空間と
要はパソコンやスマホの中みたいなモノだろうか?
『
魂をアカウントとするのなら、それぞれに権限が設定されていた。
人の行動は歴史となり、〈
世界はひとつではなく、可能性によって、様々な形で分岐している。
それが枝のように見え、〈
通常、人はひとつの世界しか体感できない。
しかし、実際には『様々な可能性の世界を生きている』というワケだ。
魂はひとつだが、一人の人間は複数の世界に『同時に存在している』ことになる。
パソコンやスマホに――複数の
RPGや恋愛シミュレーション、アクションゲームをインストールしていても、通常はひとつのゲームしかプレイ出来ない。
〈
魂を強化する事こそ世界を――〈
そのためにも、魂を次の
偶然とはいえ、その壁を越えたため、私は資格を得たらしい。
上位の権限を手に入れたようだ。
情報に
通常の魂では刺激が多すぎて、この空間では消滅してしまうのだろう。
自分が複数いて、同時に操れる――そんな例えが一番近い。
補完されている魂が無事なら『
裏を返せば、権限を持つ神は『魂を管理することが可能だ』と言えるだろう。
残念ながら今の私に、そこまでの能力はない。
〈
また、困ったことがある。
一度は砕かれてしまった、この魂。
それが『原初の海』を渡ったことで、新たな能力を獲得してしまったのだ。
私は
条件を満たすことで、相手の〈神格〉を奪うことが出来るらしい。
砕けてしまった私の魂の
形見として受け取った――という
ただ、今から考えると『この
◆◇◆◇◆
それが――ゴポゴポッ!――と音を立て、消失する。
相手の防御壁に穴を開けた。
水の壁が消失したため――カランッ!――と音を立て、二本の
「待ってください!」
蛇男は声を上げたが、慌てた様子はない。
実際にそんな音はしないが――ぐにゃり――と相手の腰が後方に百八十度倒れた。
まるで骨など無いかのような動き。
飛んで来た
加勢しようと思ったのか
相手に殺意がなかったことも理由だろう。
しかし、単純に――
植物の
「いやいや、降参です」
と蛇男。曲げていた腰を元に戻す。
体勢を整えた――というよりは『上体を起した』という表現の方が適切だろうか?
相手は降参のつもりで、
能力を使えるのであれば、その姿勢に意味はない。
「いいわ、話を聞きましょう」
と私。両手にそれぞれ
「おかしな
相手を
店長も乗り気で――キュキュッ♪――と鳴く。
私の頭の上で、白いモコモコ
打つべし、打つべし、打つべし!
「それは怖いので、遠慮します」
とは蛇男。彼は店長の能力を知っているのだろうか?
私もつい最近――店長の真の姿を――知ったばかりだ。
できることなら、
「なら、
私は強気に出る。
(どうせ、素直に教えてはくれないのでしょうけど……)
そんな風に思っていたのだが、
「ワタシの名は『
とお
どう見ても、
「今回の目的は密告です」
と告げた後、
「ですが、その前にラムダ様へ『おめでとうございます♪』の挨拶ですね」
目が細いため、元から笑っているようにしか見えない。
そのため、表情から感情を読み取るのは
「わーい、やったぁ♪」「キュキュウ♪」
私と店長はそう言って、両手を上げた後、
「――て、なるかいっ!」「キュウッ!」
床に物を投げつける仕草をする。それを見て――アッハッハッハ!――と大袈裟な動作で両手を叩き、拍手をする
どうやら、日本のお笑い文化にも詳しいらしい。
(これは
警戒を強める私に対し、
「いえいえ、本当ですよ」
と
「我が
などと
どうやら、世界を破壊する側の神がいるらしい。
(この場合は
とんでもない相手が出て来てしまった。どうして世界が滅びの道へ向かうのか、不思議に思っていたのだが、彼らが裏で動いていたようだ。
「ワタシが仕えるのは双子の女神様でして、ラムダ様のことを気に入ったようです」
(特に双子というのが気に入らない……)
「ラムダ様には、我々のゲームに参加する権限が与えられます」
と
全力で拒否したい所である。
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