第11話 只者ではない
彼――ジョゼフィーヌの祖父――の話から〈
ひとつは素材を調合、合成、強化を行う『錬成術』。
一般的な
そして、もうひとつは特殊な条件を満たすことで、まったく新たなモノを創造する『創世術』だ。
私は『魔力を使うのか、神力を使うのかで差が生まれる』と考えた。
神力自体は私がいるので問題ないが、神力に
まずは〈
ゲームなどでもお馴染みの
しかし、この村にある物は
私たちは錬金窯を探すため、一度村を出るとにした。
まずは〈
移動は『
想定通り、
しかし、私たちが村へ戻った時には
この村の存在を知っていた貴族連中が村を焼いたのだ。
白い灰に
そんな世界で唯一、美しい花が咲き誇る庭園がある村。
『人類最後の楽園』ともいえる場所だ。村の中では血筋や階級に関係なく、一緒になって、土いじりをしていた村の住人たち。
一方で、貴族連中は互いに村の権利を主張し合い、争いを続けていた。
そして、手に入らないと分かった連中は、自らの手で火を放ったのだ。
こうして、人類最後の希望は人間自らの手によって閉ざされた。
私は〈
しかし、希望は残っていた。
私にとっての幸運は
彼が地下の隠し部屋に気付いてくれた。
それにより、
彼女の祖父が命を
だが、世界の救済には〈
私が知る限り、彼女には、その資質があった。
ジョゼフィーヌには悪いが――『
人間たちに裏切らた少年の手によって、人類の希望である少女が助け出されるという皮肉。
この世界に残された希望の糸は細く、奇跡を
◆◇◆◇◆
女神だからといって、私一人では出来ることが限られている。
結局は地上に住む人々の力が必要なのだ。
ニンクルラに妹のことを聞いても、これ以上、有益な情報は出て来ないだろう。
なぜ捕まっていた彼女が――森を一人で
「はい、あれは異国の方でしょうか? 助けて頂きました」
そう答える。王都を見て回っただけでも、様々な人種を見掛けた。
(例えば、私たちのような……)
もしかすると――異国の人間というのは
けれど、助けたのが彼だとした場合『少女を森へ放置する』とは考え
私は
どうやら、心当たりはないようだ。
(つまり、私たち以外に裏で動いている人間がいるということ?)
「その人物に、特徴はありましたか?」
と私は問う。そろそろ、女神っぽい話し方も
普通の話し方に戻そうかな?――と考える。
もしニンクルラを助けたのが
言葉遣いは
「黒髪で長身の男性、肌はわたくしと同じで白く、目が細いのが特徴でしょうか?」
動きに一切の無駄がない感じです――と答える。
どうやら別人らしい。
私が次の質問をしようとするよりも早く、
「その続きについてはワタシが回答しましょう」
と男性の声が響く。気付くと部屋の入口に立っていた
先程まで
客層を見る限り、ここは商人などが密談などで使う場所だ。
人を部屋へ通すにも、まずは店員が
警備の兵士もいたハズだ。
「殺してはいませんよ……」
その男は言う。
東洋の衣装を連想させる
私は素人だが、只者ではないことだけは分かる。
それに男の言葉は『まったく信用できない』と私の直感が
同時に能力を使用して、ニンクルラのいる床から木を
「おっと、危ないですね」
と男は言うが、その表情からは余裕が見て取れる。
(水なのかな?)
男の周囲を透明な
魔法とは違う力だ。
どうやら、
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