第11話 絶望の魔法陣

 ヨシツネの衝撃的な発言を聞かされた私たちは、思わずお互いに両肩に両手をを乗せ合って、声だけでなく体まで震えてしまった。そして、私たち自身がそのショックで倒れないように力強く抱きしめ合ってお互いに体を支え合っていた。


「ど、どうしよう……ああああっ……!」


 ヒカリは、既に少しずつ泣き始めていた。彼女の顔がうつむいているので、その表情はわからないけれども、その声で鳴いていることがハッキリとわかる。


「け、原因が……全然わからない……い、いったいどうして私たちは違う世界に来てしまったの……? お願い、ヨシツネさん。その原因を教えて…………」


 私は、震えながらもヨシツネに尋ねた。すると、彼は私たちに発生した出来事をまるで知っているかのように答えてくれた。


「それは……赤く輝く魔法陣の中に君たち2人が入り込んでしまったからだよ。どうしてその魔法陣が発生するのかについては、わからないのだけれども…………」

「そ、そんな……! し、信じられない……!」


 もし、ヒカリと体を支え合っていなければ、きっと私はその場にしゃがみこんで頭を両手で抱えていたと思う。私の心は、既に絶望感によって打ちひしがれていた。


「つ、辛いよ……だ、大好きなシズクと一緒にいなければ、わ、私はとても耐えられないよ…………」


 ヒカリの悲しみの泣き声が、再び聞こえてきた。

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