第9話 知らない地名

 私は、彼の言っていることが信じられなかった。いくつか確認しておきたいことがあったので、彼に尋ねていった、


「私とヒカリの2人は、瀬戸山から下山しようとして坂道と階段を下りて行った最中に突然の地震が発生して落下してしまったのです。あなたの方は、地震に巻き込まれなかったのですか?」


 すると、彼は少しの間だけ黙っていたが……逆に私へ質問を返してきた。


「セトヤマって、いったい……どこの山かな? 僕は特に地震に遭うことは無かったけれども……」


 考えながらもそのように言ってきたことに対して、私はとても驚いた。


「せ、瀬戸山を知らないのですか!? そ、それでは、この場所はいったい……」


 すると、彼は不思議そうな表情をしながらも、さらに驚く発言をしてきた。


「何を言っているんだ。この街は、普通の街であるポロッサじゃないか……アペオシカ大陸の西の果てなのに、なぜそのことを知らないの?」

「ええーっ!?」


 一度も聞いたことの無い地名を聞かされて、私とヒカリは混乱に陥った。しかし、私は焦りながらも彼に質問を続けた。


「す、すみません。初めて聞く地名だったものですから……ち、ちなみに、あなたのお名前は……?」

「僕の名前? ヨシツネだよ」

「ええーっ!?」


 彼は、銀髪の碧眼なのに、本当は日本人だったの!?

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