第16話亜美とさやか、桜の舞う春、心はひとつ

春の日差しの中、学校の校庭には、美しい桜の花が咲き誇っていた。それを見て、少女たちは思わず息を呑んだ。彼女たちは、この校舎で過ごす最後の春を迎え、毎日を桜の美しさに彩られていた。


ある日、二人の少女、亜美(あみ)とさやかは、昼休みに校庭にやって来た。亜美は、スマホを手に、桜の花を撮影し始めた。さやかは、近くに咲く桜の木の下で、お弁当を開いていた。


亜美が桜の花を撮影するたび、さやかは美しい桜の花を見上げて、微笑んでいた。亜美もまた、さやかの笑顔を見て、なんだか嬉しくなった。


校庭を取り囲むように建っているのは、青く輝く高層ビル群だった。美しい桜の花と、高層ビルのコントラストが、どこか切ない印象を与えていた。


「桜って、儚くて美しいよね」と亜美がつぶやいた。


「そうだね。でも、咲いている間は本当に美しい。見ているだけで、心が和むよ」とさやかが答えた。


二人は、静かな校庭で、美しい桜の花を眺めながら、お互いのことを話し合った。亜美は、さやかの内面に惹かれ、彼女と一緒に過ごす時間がとても心地よかった。


さやかもまた、亜美の存在が自分にとって特別なものであることを感じていた。彼女は、亜美が心配そうに見つめる桜の花を見て、優しく微笑んだ。


「桜って、こうして見ると、美しくて儚いっていう感じがするけど、実はすごく強いんだよね。風雨にも負けない、生命力に満ちた存在なんだ」と亜美が言った。


「そうだね。私たちも、桜のように強く生きていかなくちゃね」とさやかが笑顔で答えた。


二人は、美しい桜の花を見上げながら、お互いの心がぴったりと重なっているように感じた。


そんな中、突然、風が強く吹き始めた。桜の花が舞い散る中、二人は互いの手を取り走り出した。やがて、風が収まり、二人は息を整えながら立ち止まった。


亜美がさやかに笑いかけると、さやかもまた、彼女に優しく微笑み返した。その瞬間、亜美はさやかに想いを寄せていることに気づいた。彼女の心は、桜のように強く、美しく輝く恋心で満たされていた。


二人は、ふと、周りを見回すと、桜の花びらが風に舞い上がる様子に心を奪われた。そんな中、亜美は突然、さやかに近づき、優しく彼女の頬にキスをした。


「さやか、私、あなたのことが好きだよ。ずっと、ずっと…」


亜美の言葉が途切れる中、さやかは優しく微笑んで、彼女の手を握りしめた。


「私も、亜美のことが好き。あなたと一緒にいる時間が、私にとって特別なものだよ」


二人は、桜の花びらが舞い散る中、お互いの気持ちを確かめ合うように、ふたりで微笑み合った。彼女たちの心は、桜のように優しく、強く、そして美しく輝き続けていた。


そんな春の日の終わりに、二人は、互いに手を取り、校庭を歩いていった。桜の花びらが道を彩り、夕日が優しく二人を照らしだしていた。


彼女たちは、それぞれの人生において、大切な存在であり、互いにとって特別な存在だった。そして、美しい桜の花のように、ふたりの心は、優しく、強く、そして美しく輝き続けていた。

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