第110話 エアリスの怒り
「お、おい、ベルファ……」
さすがにこの反応はマズイと思ったオレは、ベルファを止めようとしたのだが、彼女は続けて言い放った。
「あんた、まさか今まで自分の力だけで戦い抜いてきたとでも考えているの!? あまりにもバカげた考え方だわ! ナリユキの支えがあったからこそ、あんたは今までやって来られたのに!? 思いあがっているんじゃないわよ!」
……あ、あれっ!? 今のセリフ……オレって意外と高く評価されているのか? いや、しかし……。
「なあ、ちょっと待てベルファ! これ以上、エアリスを刺激するような発言を止めてくれ……」
「ナリユキ! あんたは黙れッ! このボケナス!」
ベルファを止めようとしたのだが、すかさず彼女にこき下ろされてしまった……おおおおう……持ち上げられた直後に落とされるのは、精神的にとてもキツイぜ……!
しかし、そのセリフで落ち込んでいる場合ではなかった。
「ベルファ! キミは、ボクのことを真の勇者として認めてくれたハズだったじゃないか! かつて西の塔を攻略しようとしていた時に!」
エアリスがベルファに反論したのだが……。
「あれは、あんたを上手くおだてて利用しようとしただけよ! 別にあんたを勇者だなんて、これっぽちも思っていないから!」
うっわ~……ベルファのヤツ、自分の発言を完全否定しちゃったよ……ちょっとひどくないか? いくら何でも…………。
「よ、よくも、よくもボクをだましたな! だましてくれたなあああっ!」
その言葉を聞いたエアリスは、逆上してベルファを…………!
ガツン!!
鈍い衝撃音が、公園内に響いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます