第62話 謎の牢屋

 オレたちは、そのまま廊下を走り続けた。すると、あった。地下へ続く階段が。

 そのまま一気に階段を駆け降りた。そこで、さらに新しいドアがある。


「邪魔だ!」


 オレは、そのドアも吹っ飛ばす。その先にはまた別の廊下が続いていた。しかし、延長線上に覆面を被った男がいた。


「な、何者だ、貴様ら!」


 男は慌てて懐から小型の剣を抜いた……が、時すでに遅し。その瞬間、男はオレの蹴りを食らい、壁に叩きつけられて気絶した。一丁あがり。

 見ると、倒れた男の脇に鍵が転がっていた。オレはすぐさま、それを拾う。そして、今度は慎重に廊下を進んでいく。まだ、敵がいるかも知れない。


「あっ! こんな所に牢屋があるよ!」


 エアリスが廊下の脇を指差した。よく見ると、廊下の両わきに小さな牢がいくつも並んでいた。一番近い牢の中をのぞくと、6畳くらいの部屋に美しい女性が1人閉じ込められていた。オレは、男から奪った鍵を牢の錠前に差し込んでみる。ガチャリと音を立てて、開錠された。扉を開く。


「あ、ありがとうございます! ずっと怖い思いをしていたので!」


 その美しい女性は、オレの足元にすがりついて来た。こんな綺麗な人を監禁するなんて、何て酷い事を……!


「教えてくれ! あなたにこんな事をしたのは、誰なのか!」

「ゲディスという、この酒場の店主です。私の他にも、何人もの女性が誘拐されて、ここに閉じ込められているんです」


 女性は、少し震えながらも話してくれた。そうか、一連の事件の犯人は、この酒場の店主だったのか……!


「じゃあ、やっぱりベルファもここにいるんだね!」


 エアリスがそう言って廊下を進もうとした、その時。


「ぎゃああああ!」


 廊下の奥の方から悲鳴が響き渡った。オレたちは、慌てて声がした方向へ走り出す。もしかして、ベルファの悲鳴か!?

 しかし、オレたちがたどり着く直前に、一番奥の牢からゴロゴロッと、一人の人間が勢いよく転がり出て来た。誰だ?

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