第4話 プリーストとの出会い

「やっほ~? 目を覚ましてぇ~?」


 な、何だ? この緊張感のカケラも無い呼びかけは!?

 どうやら、オレは気を失っていたらしい。女神フェリオに転移魔法をかけられて……目が覚めると、おそらく自分より少し年上っぽい女性が近くにいた。

 修道衣を着ており、髪は派手なオレンジ色のロングヘア―。一目見ただけで、異世界人のプリーストだとわかった。


「やったぁ! フェリオ様のお告げの通りね! でも、寝てちゃダメだよ~? ちゃんと仕事してもらわないといけないんだから~」


 相変わらず、間の抜けた話し方をしているプリースト。黙ってさえいれば胸も大きいし、おそらく美人の部類に入るんだろうけど、頭が悪そうな感じは否めない。

 まあ、それは置いといて、まずは状況を確認しよう。


「君は……あの女神に仕えている信者……だよね? ここは、どこ?」

「私はフェリオ教の信徒、ユリカだよ~。ここはザナトス王国の王都ザリザクの南部にある教会なの~」


 周囲を見渡してみると、木造で質素な感じの建物の中にいる事がわかった。そして、室内には長机と椅子が整然と並んでいる。

 多くの人々が礼拝しに来たり、教義を学びに来るのだろう……と想像できた。なるほど。


「えっと、ユリカ。オレの事は女神から詳しく聞いてるの?」

「聞いてるよ~。リーデシア大陸の救世主だって! すごいよね!」


 目をキラキラと輝かせるユリカ。そこまで期待されているのか!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る