就活で失敗続きの元大魔王がタワマンの管理人を任される、という強烈なインパクトの導入で始まる本作。
これが出オチで終わることなく、最後まで凄まじい勢いで駆け抜ける面白さがありました。
ものすごいポジティブで実は超有能な大魔王エクスが、何より楽しく魅力的です。
その運命の相手である元勇者フィオをはじめ、どんどん増えていくタワマンの住人たちもみんな個性的で、読めば読むほど全員好きになってしまいました。
現実の集合住宅にもあり得る問題をファンタジーならではの解釈に落とし込み、住人それぞれの人生に光を見出すストーリー展開が心地よく、各章の読後感が非常に良かったです。
ちょっとほろりと来るエピソードもあり、心が温まりました。
タワマンという舞台を最大限に活かしたクライマックスとラストシーンは、本当にお見事でした。
多くの方が楽しめるお話です。ぜひお読みください!