第18話

前線の司令室に着いた天馬達は師団長からの話を聞いていた。最初にここに来た時よりも何となく腰が低くなっていて気持ち悪いな等と天馬は心の中で思っていた。


「第4独立魔導大隊にも前線に参加してもらう。担当区域としては北方面だ。よろしく頼む。」


「はっ!承知しました。他にも隊は派遣されておりますでしょうか?」


「北方面の指揮は中佐に任せる。早速向かってくれ。」


天馬達は北方面に向かった。


「天馬、とりあえず暴れてこい。師団長への不満は中国相手にしっかり発散させてこい。」


三浦中佐からの指示で天馬は最前線に向かった。

天馬がした事はたった1つ。刀型の魔器を横に一閃しただけ。たったそれだけで中国の小隊が何個も消えた。固有魔法である時空魔法を使用し、空間ごと切った。まだ上手く制御出来ない為全ての能力を出せている訳では無いがこれが王級魔導士であり、帝級魔導士に近い者の実力だ。


「中佐、特尉がすげーんですが笑えてきますね。」


「特尉はもしかしたら今回で帝級に上がるかもしれんな。そうなったら第4独立魔導大隊の正式なエースになるな。」


天馬はそれから何度も何度も刀を振るう。段々と制御が上手くなっているのが見ていて分かる。前に敵がいなくなれば移動してまた刀を振るう。その時天馬に確かな手応えがあった。結果、空間にヒビが入り、地形が変わる、海を割り空が裂けた。


ーーーーーーーーー

ー第4独立魔導大隊ー


天馬の固有魔法を初めて見た者は震えて、顔が青くなった。


「何だあれは、やばいなんてものじゃない。あんな事が可能なのか?」

「特尉、いや黒嶋家はやばすぎる八家会の当主はこんな事が可能なんだな。これが力の差と言うものだな。」

「これで王級なのか?俺こんな事絶対無理だ。俺王級に上がれる可能性無いかもしれん。」


三浦中佐はこの光景を見ながら思った。これ帝級じゃくて神級の実力じゃん。固有魔法だけで黒嶋秋人中将よりも強くね?っと。黒嶋秋人中将は地形を変えたりある事は出来たが環境を変える様な事は不可能だったはず、特尉は神級に上がるかも知れんっと黒嶋家から天馬を預かっている三浦中佐としては嬉しかったりする複雑な気持ちを抱いていた。



あとがき

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