第15話

師団長らしき人は声に返事を返さずに司令室にあるスクリーンを見ていた。


「師団長、第4独立魔導大隊の皆様が到着されました。」


もう一度師団の隊員が師団長に声をかける。そこでやっと師団長はこちらを向いた。


「うるさいな!何回も言わなくても分かってるっつーの!待たせとけ!」


師団長はそー言ってまたスクリーンに目を向けた。天馬達は司令室の横にある客室で待つ事になった。しかしいくら待っても師団長から何も指示が来ない。数時間たった頃、天馬は三浦中佐に声をかけた。


「中佐、俺たちはずっとここですか?何待ちの時間ですか?」


「俺にも分からんがまぁ待っとこうや、師団長から何も指示が無いんだ。さっき師団の隊員に師団長に聞いてもらったんだが無視されたらしいぞ。」


「中佐、もう帰っていいですか?そろそろ我慢の限界なんですが。」


「特尉、もう少し待ってくれ。伊藤少佐に確認しに行ってもらうから。」


伊藤少佐は第4独立魔導大隊の副隊長だ。三浦中佐の右腕にして参謀役も務めている。


「少佐、師団長に詳しく聞いてきてくれんか?」


三浦中佐は伊藤少佐に指示を出す。伊藤少佐は「はっ」っと言い、師団の隊員を連れて客室から出て行った。


数分後


「中佐、戻りました。師団長の言葉をそのまま言います。『俺はそもそも援軍要請は出してねぇんだよ。帰れ。』と言われました。ですので第4独立魔導大隊は帰投命令を出された形になります。」


天馬はもう我慢が出来なくなった。


「中佐、師団長とかいう奴殺していい?殺してもいいですよね?さっきから舐めやがって、黒嶋家の次期当主にして黒嶋秋人中将の孫の俺がいる大隊に出動命令が出たからわざわざ早くから来たって言うのに帰れ?黒嶋家に喧嘩売ってる?」


師団の隊員に向かって歩きながら天馬は言う。中佐は慌てて天馬に声をかける。


「特尉、黒嶋の名前は秘密にするんじゃ無かったのか?守秘義務はどーするんだ?」


「あー、もー、くそ!そこの隊員さん!さっき聞いた黒嶋関係の事はもちろん秘密にしてくれるよね?「了解です。」では師団長に俺の名前とか言わずに黒嶋家に喧嘩を売る気ですか?っと中佐から聞かれたと言っておいて下さいね。あ、返事は期待してないのでしなくていいですよ。中佐、帰りましょう。」


天馬達第4独立魔導大隊は沖縄駐屯地に向かって行った。


ーーーーーーーーー

天馬に声をかけられた隊員は司令室に行き、師団長に報告があると声をかけた。


「師団長、先程第4独立魔導大隊の皆様は沖縄駐屯地に帰って行かれました。その際、三浦中佐から黒嶋家に喧嘩を売る気ですか?っと聞かれました。」


「なに?どーゆー事だ?帰って行った?しかもなぜ黒嶋家の名前が出てくるんだ?」


師団長は今まで援軍が来ても師団長より下の官位の人間の隊が援軍に来た時はとことん待たせ、援軍の隊員がイライラしてきた頃に最前線の危険な所に突撃させ、使い捨ての様に使って師団を勝たせてきた。今回も同じ様にしようとしていた時に第4独立魔導大隊は本当に帰って行った。しかも黒嶋家の名前が出て来た事に焦った。


「おい!お前なぜ帰るの許可したんだ?しかも黒嶋家?どーゆー事だ!おい!説明しろ!なんでだ?説明しろ!説明しろ!説明しろ!説明しろ!説明しろ!説明しろ!説明しろ!説明しろ!説明しろ!.................説明しろ!説明しろ!説明しろ!説明しろ!」



あとがき

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