第5話

黒嶋本家にて天馬は軍の訪問を受けていた。

「第4独立魔導大隊大隊長の三浦中佐であります。黒嶋天馬君に話があって本家を訪ねました。君が天馬君かな?」

「はい。黒嶋天馬です。何のご用でしょうか?」

「君は黒嶋中将に師事しじしていたと聞いている。軍に所属する気はないかな?」

「軍に入る気は無いです。確かにお爺様には色々と教えて頂きましたが、それは自分の為に習っていた事です。黒嶋本家の次期当主として相応しくなれる様努力をしている所です。」

「なるほど。軍に入る気は無いのか、、、。またお誘いに来ても良いかな?」

「いいですが考えが変わるかは分かりませんよ?」

「じゃあ、またお誘いに来るから。」

三浦中佐はそう言って帰って行った。

「天馬、軍から誘われるなんて光栄な事ね。軍に天馬の事先代当主様が話していたのかしら?」

皐月は嬉しそうに天馬に話掛けてきた。

「黒嶋本家としては軍に所属して欲しいのですか?」

「どちらでも構わないわ。天馬の固有魔法は強力だからしっかり制御を練習しないといけないと思っているわ。叡智えいちはともかく爆裂ばくれつ時空じくうは殺人に特化し過ぎているから軍に所属して実際に対人で練習するのも良いと思うわよ。」

天馬はこの言葉に少し心が揺れていた。

(確かに固有魔法は練習出来てなかった。もう少し話を聞いてから決断しよう。)


その後も三浦中佐が本家に来て話を繰り返した。

天馬はまだ中学生で未成年だから非正規隊員。名前も本名では無くコードネームとして日浦大和ひうら やまと特尉として軍に所属する事となった。

隊は第4独立魔導大隊の一小隊に所属する事となった。


「黒嶋天馬です。軍内では日浦大和特尉と呼んで下さい。よろしくお願いします。」

「日浦特尉は石川大尉の小隊に入ってもらう。よろしく頼む。」

この日から天馬は軍に所属し、訓練をしていく事となる。



あとがき

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