第9話
ある日の朝のSクラスの朝礼
「皆さん、おはようございます。そろそろ学校には慣れて来ましたでしょうか?今日から約2週間ですが部活動の新入生勧誘期間が始まります。何か部活をしたい方は是非参加してみて下さい。」
担任のこの一言でクラスが賑やかになる。
「俺ずっと剣術部に入るって決めてたぜ!」
とか
「弓術を極めてやるぜ!」
など、クラスの中には部活を決めている者もいる様だ。
天馬は部活をするほど暇では無いつもりだ。
朝の自主訓練、夕方のHHCへの訪問など忙しい。
「天馬、部活どうする?」
珠々が天馬に相談をする。
「正直言って魅力的な部活は無いな。自分で鍛えた方が強くなれるし、俺の戦闘術はあまりスポーツとか向きじゃないからな。」
「まぁ、天馬に
「部活は強制的に入らなくては
そんな話をしていた時、侯隆が話に入ってくる。
「天馬、部活どうするん?」
「入らなくてもいいかなって思ってるよ。」
「そーなんか。」
この時天馬は少し嫌な予感がした。
「せんせーい、部活って自分らで作ってもいい?」
「自分達で作るのは大丈夫ですが、顧問の教師と部活メンバーが5人以上揃わないと作れませんよ。」
「そーなんですか。 顧問は美音ちゃんに「ちょっと待て、侯隆お前美音ちゃんって呼んでるの?」お願い、うん。そーだけど」
「まぁ、別にいいけど先生よく許してくれたな」
「まぁ、それは置いといて。メンバーは天馬、珠々、俺、杏奈、正樹で良いよな?」
「ちょっと待て、俺は部活は入らないって。」
「まぁまぁ、いいからいいから。で、部活の内容はどうしようかな〜」
侯隆が部活を作るのを勝手に決めている中、天馬と珠々は苦笑いをしていた。
「天馬、どうするの?とりあえず当主様に報告はしないといけないね。」
「そうだな。ある程度は自由にさせてもらっているけど、黒嶋家としては将来を考えて仲良くなり過ぎるのは良くないかもな。」
家に帰りながら天馬と珠々はそんな話をしていた。
「天馬、部活を利用して個人的な配下を持つ良いきっかけです。黒嶋家当主として命じます、天馬に
「分かりました。母上、学校には何て伝えましょうか。」
「戦闘術を鍛える同好会とでも言ったら大丈夫ではないでしょうか?上手くやっておいてちょうだい。」
「分かりました。報告は以上です。おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」
天馬は通話を終えて少し考える。
皐月の言い方からして学校内に天馬の配下を作ると共に黒嶋家の派閥を作るという事だろうと天馬は考えた。
次の日
「侯隆、俺の配下になるつもりはあるか?」
「急になんだ?天馬の配下?なんでそんな話をするだ?」
「部活の内容を決めたんだ。将来の為に配下を作る事にした。」
天馬は黒嶋家の決定とだけ話した。
「俺は将来、黒嶋家を最強で最高の家柄にしたいと考えている。その為の一歩だ。」
あとがき
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