第5話

「お話の前に、お肉とお魚はどっちがいいですか?」

花音はわざとらしく笑って言った。


生徒会室には自配機がある。

しかもメニューも複数ある、天馬は肉メニューを選び、珠々も同じ物をと頼んだのを受けて、1人の女子生徒が機械を操作した。

後は待つだけだ。

ホスト席に花音、天馬達の前に3人が席についた。

「入学式で紹介しましたけど、念のため改めて紹介しますね。

私の隣が会計の原田美里はらだ みさと。」

整っているが顔は少しキツめの印象で、背が高く手足が長い美里は美少女よりは美人と表現した方が相応ふさわしい容姿の女子生徒だ。

「その隣が風紀委員長の一色加恋いっしき かれん。」

加恋の容姿は平均的だが強者の雰囲気をかもし出している。

「それから書記の日村綾乃ひむら あやの。」

綾乃は小柄で童顔、天馬は失礼だけど年下に見えるなと内心で思っていた。

「加恋は違うけど、あと1人副会長を含めたメンバーが今期の生徒会役員です。」

ブザーが鳴った。

トレーに盛り付けられた料理が出てくる。

天馬は珠々のトレーも一緒に取りに行き席に戻った。

「さて本題に入りましょうか。当校は生徒の自治を尊重し、生徒会は大きな権限を与えられています。これは第一高校だけでなく第八高校までの国立高校では一般的な傾向です。」

これは一般的に知られている事なので相槌あいづちのつもりで天馬はうなずいた。

「当校の生徒会は生徒会長に権限が集められていて、権限の一つに他の生徒会役員を選任する任命権を持っています。生徒会長の任期は10月1日から翌年の9月31日まで、この期間中は役員を自由に任命・解任することが出来ます。」

天馬は話の内容が分かってきたが、口を挟まずに話を聞いていた。

「これは毎年恒例なのですが、新入生総代を務めた1年生には生徒会に入ってもらっています。四宮さん、私は四宮さんが生徒会に入ってくれる事を希望しています。」

生徒会に入るとはつまり生徒会の役員になるという事だ。

「引き受けて頂けますか?」

「分かりました。お引き受け致します。」

珠々は嬉しそうに答えた。

「では、四宮さんには書記として今期の生徒会に入って頂きます。よろしくお願いしますね。仕事内容は綾乃ちゃんが教えてくれますので安心してください。」


「で、天馬君は風紀委員に入ってもらいたいんだけれど」

といきなり花音から天馬に声が掛かった。

「私と同じ八家会の家柄だし、あの黒嶋家なんだから天馬君喧嘩強いでしょ?」

「風紀委員の役目は学校の警備、生徒同士の喧嘩の仲裁など荒っぽい仕事が多いんだ。天馬なら即戦力で働いてもらえそうだからな」

加恋が仕事内容と入って欲しい理由を教えてくれた。

「んー、俺は正直手加減とか苦手だし固有魔法も殺傷さっしょう特化とっかしていて不安があるんですけど大丈夫ですかね?」

「天馬なら大丈夫よ。私は生徒会で天馬は風紀委員でしょ?一緒に頑張ろうよ」

珠々は笑顔で天馬に言う

「分かりました。風紀委員に入ります。」

天馬は加恋にそう言って答えた。



あとがき

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