第3話 矛盾
2人で日記を読むこと2時間。これまで日記を読んでいて、僕たちはおかしなことに気づいた。1つ目は、おばあちゃんはもう死んでいるのは魔王封印の日なのに、それ以降も日記は続いているのだ。しかも、元から死んでいなかったことになっている。2つ目は、まだ僕らは生まれていないはずなのに、この日記には僕ららしき人物のことが書かれているのだ。家名こそ書いていないものの、そこには「ソウ」と「セナ」と書かれており、パーティもその2人を入れた6人で結成されているのだ…
一体どう言うことなのだろうと、僕たちは顔を見合わせる。
「これ…一体どう言うことなんだろう?」
「わたしにも分からない。でも1つだけ言えることは、歴史が今と異なっているということだよね」
「だね。…考えても、話は進まないし、明日魔王城跡に向かわない?何か分かるかもだし。」
「そうだね、そうしよ。じゃあ今日は装備でも整えて、明日に備えよ?」
こうして、僕たちは明日魔王城跡に向かう事になった。
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翌日、朝起きて僕はセナと持ち物確認をしていた。
「セナ、剣と回復薬持った?」
「うん!もちろん」
「じゃあ行こうか。」
「でもここから魔王城跡までかなり遠いよね?どうやっていくの?」
そこで僕は満面の笑みを浮かべた。
「セナ、僕を誰だと思っているんだい?」
そこでセナは何かに気付いたようだ。
「まさか…」
「そう!魔法で行けば良いんだよ!」
「いや、でも時間かかるでしょ」
「僕は天才だよ?僕が作った魔法に転移魔法っていうのがあって、一瞬で目的地まで辿り着けるよ」
「さすがソウ!私の想定の遥か先を行くね…」
「というわけで、魔法発動!"
僕がそう唱えると、次の瞬間には辺りの景色がすっかり変わっていて、魔王城跡が目の前にあった。
「おーって着くの早っ!で、ここが魔王城跡?でも、床に謎の紋章があるだけで、後は何もないね」
「まぁ、魔王城があったのはかなり前だからね。でも…ちょっと待って。今紋章があるって言った?」
「え?うん、そうだけど」
僕は違和感を感じて、すぐにその違和感の正体に気づいた。そして叫ぶ。
「セナ!今すぐこの場から出るぞ!」
すると不思議そうにセナが、
「え、なんで?」
と聞いてくる。
僕は急いで出ようとしながら、説明をし始めた。
「昨日あの後、図書館に行って、ここの画像を見たんだ。でも、そこに紋章なんてなかった。しかも、ここにあるのは紋章じゃなくて、時間転移の魔法陣だ!」
「え?つまりどう言うこと?」
「つまり、何者かが、ここに来た人たちを強制的に過去か未来に飛ばそうとしてるんだ!」
「え〜!やばいじゃん!急いで逃げなきゃ」
「だから今…セナ、もう手遅れだ。」
「え?どうして?」
「後ろを見てみて?」
セナは振り返ると、青ざめた。
「魔法陣が…光ってる」
「そう、つまりもう魔法は発動してるってこと」
「ソウ、どうしよう!?」
「とりあえず転移してから考えよう」
次の瞬間辺りが光に包まれた。
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