第2話 昔話
40年ほど前、わしはちょうど今のソウたちと同じくらいの年齢での。でもわしたちは付き合っていたんじゃ。それはそれは周りから冷やかされるくらいには熱々でのぅ。
そしたら、ある日、国から魔王封印の依頼が来たんじゃ。
当時わしたちは天才なんて言われておった。だからこそ傲り高ぶっていたんじゃろうな。パーティを組む時、本来6人必要な所をたったの4人でパーティを組んだのじゃ。
周りには、止められたが反発心がうまれて頑なに4人で行動したんじゃ。その当時のメンバーのうちの2人がセナちゃんの祖父母じゃよ。
で、その旅の最中に産まれたのが、ロイド。つまりソウの父親じゃな。だが、その後に悲劇が起こったんじゃ。そのタイミングで、魔王の活動が激しくなり始めたんじゃ。それを見かねた国がわしらに今すぐに封印するように命令してきたんじゃ。だから、わしらは仕方なく、ロイドを自分の親に預けて戦いに行ったんじゃ。それからの状況は正直言って最悪じゃった。
本来6人で組むはずのパーティは元々4人しかおらず、精鋭揃いとは言っても、それぞれ苦手分野はある。そこで真っ先に狙われたのは…リアじゃ。リアは近接が苦手じゃが、魔法や、治療はかなり得意で、加えて頭もいい。だからこそ真っ先に狙われた。
そのことにわしらも気づいて、必死で守ったんじゃが…そこでリアは戦死してしまった。その後は、わしは怒りに任せて剣を振った。そして無事に魔王は封印できたんじゃ…リアというでかい犠牲を支払ってな。
その後は、ロイドを引き取って男手一つで育てていった。本当に大変だったが、ロイドの為と思うとなんでもできた。
そして気づいたら、ロイドは結婚して、ソウと言う息子までできた──── そして今に至ると言うわけじゃ。
────────────────
「どうじゃった?」
「「…」」
おじいちゃんに聞かれて、僕たちは黙ってしまっていた。そんな話があるなんて知らなかった。
「驚いて声も出ないと言ったところじゃな…まぁこれがわしたちの昔話じゃ」
その後、僕たちはおじいちゃんにお礼を言って、その場から立ち去った。
僕の部屋に移動しながらセナと話した。
「さっきの話を聞いたら、なんか調べたくなったね」
「そうだねー」
そこで僕は提案した。
「せっかくだしさ、僕の部屋でこの日記全部読んで見ない?」
「いいね。ソウのおばあちゃんについてもっと知りたくなったし…」
「じゃあ決まりだね。早く行こう」
そして僕の部屋に行き、2人で一緒に日記を読み始めた。
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