第一章
第1話 発見
2年前───僕、ソウ・アルセロクは、幼馴染の、セナ・エルメデスと一緒に僕の家の倉庫の整理をしていた。僕の家と、セナの家は祖父母の代からの仲で、幼馴染だったらしい。
「ごめんね。セナ。手伝わせちゃって」
「ううん。別に良いよ!意外と楽しいしね」
そう言ってセナは笑う。
「ならいいんだけど…」
「それに…ソウとも一緒に居られるしね!」
そんな彼女の言葉を聞いて、僕は耳まで真っ赤になる。
「あれー?照れちゃった?可愛いー!」
彼女は僕を揶揄ってくるが、そう言う彼女の耳も真っ赤だ。
僕は、恥ずかしさを振り切るように、整理を再開する。それを見た彼女も、再び整理に戻った。
しばらく整理をしていると、僕は数冊の手帳を見つけた。僕は中身が気になり、セナに声をかけてから、一緒に読んでみる事にした。
「セナー!」
「どうしたの?」
「いやさ、こんなものを見つけてさ」
「へぇー」
「…読んでみない?」
と僕は提案してみる。
「いいよー!でも、これはなんだろう?」
言われてみて僕は手帳の内の一冊を開いてみた。見てみると、どうやら日記のようだ。表紙の裏に、名前が書いてある。
「日記だね…でもこの名前ってソウのおばあちゃんの名前じゃない?」
「そうみたいだね…これ読んでたら昔の話が聞きたくなってきたな…そうだ!良い機会だし、おじいちゃんに話を聞いてみようよ!」
「いいね!」
そして僕たちはおじいちゃんの元へ向かった。
────
「おじいちゃん!」
「おお!どうしたんだ?ソウ、それに、セナちゃんも」
「こんにちは、お爺さん」
セナは礼儀正しく挨拶をする。
「うんうん、やっぱりセナちゃんは礼儀正しくて良い子だな」
「ところでおじいちゃん。倉庫でこんな物を見つけたんだけど…」
「んん?ああ!懐かしいなぁ。昔リアがよく書いていたな…」
懐かしそうに、そしてどこか悲しそうなおじいちゃんを見て僕は、
「だからおじいちゃん。昔のことを教えてくれないかな?」
僕がそう言うと、おじいちゃんは少し考えてから、昔のことを話し出した。
「あれは確か今から40年以上前の話だったかな────
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