プロローグ

僕──ソウ・アルセロクの目の前には今、愛する幼馴染であり、これから一生を共にするパートナー──セナ・エルメデスがいる。

今日は僕たちの結婚式。

横では、牧師さんが立っている。そして、僕にこう言った。

「あなたはセナ・アルセロクを妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」

僕は迷わずに答えた。

「誓います」

そして、牧師さんは彼女の方を向く

「あなたはソウ・アルセロクを夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」

彼女も、迷わず答えた。

「誓います」

「それでは、誓いのキスを」

そして俺たちは──── キスをした。

そして、前を向いて歩く。すると、周りには僕たちの家族が誰一人として欠けること無く揃っている。

──これが当たり前であることがどれだけ幸せなのだろう。隣を見ると、彼女も同じことを考えていたらしい。

何故なら本来は、これが当たり前じゃなかったから。彼女と2人で歴史を変えたのだ。


話は2年前に遡る────

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