第4話 魔王の正体

光に包まれたあと、辺りが光しかない空間に飛ばされた。

「ここは…?」

「さっき光に包まれて…」

すると、目の前に僕たちと同じくらいの年の男の子がいた。

「君は…?」

すると、男の子は、

「僕は、サク・ルギア。君たち2人の祖父母の幼馴染だった人だよ。」

それを聞いた僕たちは首を傾げた。おじいちゃんたちの幼馴染なら、もっと歳を取っているはずだ。

「なんで君たちの祖父母よりも年をとっていないのか、気になっているみたいだね。それはね…僕はもうとっくに死んでるからだよ。」

僕たちは黙ってその男の子の話を聞いていた。

「なんで君は死んだんだい?」

僕は気になって尋ねてみる。

「そうだね、君たちは"魔王"を知っているかい?」

すると今度はセナが答える。

「ええ、知ってるわ。私たちの祖父母が封印したっていう怪物でしょう?」

「そうだね。でも僕はその封印したメンバーには含まれていない。これがどういう事か分かるかい?」

僕もセナも首を横に振った。

「答えはね…僕が魔王だからだよ。」

「「え…」」

「やっぱりそうなるよね。まぁ、正確に言うと魔王にされたが正しいかな」

「憑依?」

ぼくはそう尋ねる。

「僕はね、昔魔王に家を襲われたんだ。そして、僕以外の家族は皆殺しにされた。」

だけどね、とサクは続ける

「でも、僕は魔王に才能を見出されて次の肉体として憑依された。そして、魔王城で君たちの祖父母と戦った、という訳さ。」

「そんな…」

「僕を見た時、君たちの祖父母は大変驚いたよ。そして、攻撃を躊躇っていた為にソウ君の祖母は死んでしまった」

そこで僕は尋ねる

「でも、どうして僕たちをここに呼び寄せたんですか?」

「それは…ソウ君。君の祖母は…リアは、僕の手で殺してしまった。それをやったのは僕の意識ではなく魔王の意志だが…でも、僕がやったことには変わりない。」

だからね、とサクは続ける

「僕が魔王として君たちの祖父母と戦う時に…僕を封印ではなく、殺してほしいんだ。」

「どうして?」

と僕は思わず尋ねる。

「君たちの祖父母は、結局攻撃を加えたくないと言って、僕を封印する事にしたんだ。でも、その封印はもうすぐ解ける。だから、過去に遡ってトドメを刺して欲しいんだ。そしてリアも救ってほしい。"元"親友だからね。」

「でもなんで私たちなの?私たちの親でも良いじゃない。」

「それはね、君たちが"アルセロク"家と"エルメデス"家で1番の才能を持っているからだよ。自覚はないかもしれないけど、その立ち住まいを見れば分かる。だから、君たちにはリアを助けてほしいんだ」

「でも、、、」

「おっと、そろそろ時間切れみたいだ。では、過去に遡ろう。」

そして、再び辺りが光に包まれる。そして意識が徐々に薄れていく。

意識が途切れる瞬間、サクの声が聞こえたような気がした。

「僕を必ず殺しにきてね──時廻りの勇者たちよ」 

そして、意識が完全に途切れた────

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