第224話
◆
冬樹たちのクラスメイトとは現地集合にしていたけど、私たち家が近い兄弟姉妹と
「ハルカ!久しぶりです!」
「久しぶりって1週間じゃん」
「1週間でも長いですよ」
まず留学生のクラスメイトというローラン君と合流し、
次に合流した
最後のひとりのクラスメイトが到着した時に驚いた。
「お姉さん!どうしてこちらに?」
「
江藤君と呼ばれた彼は、冬樹くんと連絡が取れなくなってしまった1件で私が夜遅く外に居たために酔っ払いに絡まれてしまっていたところ助けてくれた男の子だった。
「この男の子はね、私がこのあいだ酔っ払い絡まれてしまっていた時に助けてくれたの。
まさか冬樹くん達のクラスメイトだったのね」
「はい、
お姉さんとお会いできて良かったです。もう会えないかと思っていたので」
「確かにそうよね。連絡先を交換したわけでもなかったし、すごい偶然よね」
「江藤君、感動の再会をしているところ悪いんだけど、美晴お姉はフユと付き合ってるからね」
「え!そうなんですか!?」
「うん、そうなの・・・少し歳の差があるから世間の目が気になるし、秘密にしておいてね」
「・・・はい」
春華ちゃんが唐突に私と冬樹くんが付き合っていることを説明してくれた流れで秘密にして欲しいとお願いをさせてもらった。
上映開始までまだ少し時間があったのでロビーで話しながら時間調整をしていた。
春華ちゃんから私達の他に学校の後輩の女の子とそのお兄さんのお友達が来るけど、後輩の女の子には既にチケットを渡しているから座席で合流することになるとだろうという説明を受けた。
そして、私達は作品や登壇される声優さんに強い興味があるわけではないので前の方の席は春華ちゃん達へ譲り、少しだけ後ろの席になる後輩の女の子ペアと隣同士になる座席のチケットをもらった。
上映時間が近くなり、劇場内へ入り座席に着こうとしたところで意外な人を見掛けた。
「あれ?
「き、岸元ちゃん?」
「美晴さん、こちらの方はお知り合いですか?」
佐々木先輩がいらっしゃってその隣が高校生っぽい女の子なので、春華ちゃんがチケットを譲った後輩の女の子なのだろうと思う。そして、その女の子は私へ対して強い警戒をしてる・・・恐らく、この女の子は佐々木先輩が好きで誘ったのに、その先輩の知り合いに遭遇したためにどんな関係なのか気になってしまっているのだろうなと思う。
「そうだよ、冬樹くん。大学の先輩で最近色々とご縁がある方なの。例のリフォームで業者さんを紹介してくれたのもこの佐々木先輩だよ」
「岸元ちゃんのカレシが歳下っていうのは聞いてたけど、ずいぶん若そうだね」
「神坂先輩、そちらの岸元さんとおっしゃる方の彼氏さんなのですか?」
先輩の連れの女の子が心配事を解消できそうなキーワードを聞いて質問をしてきた。
「うん、そうだよ。ちょっとだけ年の差があって今は微妙だから口外しないでもらえると嬉しいかな」
「はい!わかりました!」
冬樹くんは先輩の連れの女の子に口止めをして、その返答に喜色が混じっているのは私が先輩と色恋の関係でないと知って嬉しかったからだと思うけど、現実を知る身としては少し申し訳ない気持ちになる。
「
「はい、そちらの
次いで佐々木先輩が冬樹くんに質問をして、補完するように冬樹くんが自己紹介をした。
その流れでそれぞれの名前を自己紹介したところで、上映会が始まったため会話は打ち切った。
それにしても、栗山さんがお兄さんのお友達を誘ったと聞いていたけど、佐々木先輩はどうして栗山さんに誘われてこの上映会に来たのでしょうか?
◆江藤
もう会えないかと思っていたあのお姉さんに再会することができたし、何なら岸元さんのお姉さんだという素性まで知れたのは良かったと思う。
しかし、まさか冬樹と付き合っているとは・・・生まれた時から隣同士に住んでいる幼馴染みという事だから付き合いの深さは相当なものだろうし、俺が割って入れないような強固な結びつきがあるのだろう・・・付き合いはまだまだ短いけど冬樹が良い奴なのはわかっているし、お姉さん・・・美晴さんもきっと幸せになれるのだろうから俺の恋心はそっと散らそうと思う。
それにしても、北海道にいた時は周囲に全然アニメとかに興味を持っている友人がいなかったのもあって興味を持たなかったけど、いざ見てみるととても面白い。春華さんやローランがハマっているのも頷ける。
そして、アニメの先行上映が終わって出演声優のトークショーが始まって驚いた。
アニメの声優に対して不純かもしれないけど、大人びていてしかも美人な愛島唄さんに大変興味を持った・・・俺の失恋を癒すのにファン活動をしてみるのも良いかと思った。
上映会が終わったら春華さんやローランから詳しく教えてもらおうと思う。
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