第45話
◆
俺は高校に入学するまでは順風満帆だった。特に努力をしているわけでもなかったけど、運動も勉強もでき、容姿も女子に好意を持ってもらいやすい見た目だった。ただ、女子に興味がなかったので煩わしく思う時もあったし、素気ない態度で女子に白い目を向けられることもあったけれども、男友達とワイワイやることの方が好きで性に合っていると思っていたので特に問題だとは思っていなかった。
女子に興味を持ったのは高校へ進学してしばらくした頃に
一目惚れしてからは意図的に岸元さんを見るようになったのだが、何度も岸元さんを見ている内に幼馴染みの
しかし、運命の悪戯なのか2年に進級した際、岸元さんだけでなく神坂もいるクラスになった。1年の時は岸元さんと神坂はクラスが違っていたので、それぞれクラスメイトと一緒にいることが多かったが、同じクラスになったからか、何をするにも一緒に行動していてそれを見ているのが辛かった。
「ねぇ、あなたが岸元さんと付き合い、私が神坂君と付き合うようになるために協力しあわない?」
ある日、2年になってからクラスメイトになった
・・・断ったのだが、毎日繰り返される岸元さんと神坂の両片思いのやり取りを見ていて『諦めたくない』『足掻きたい』と思ってしまった・・・思ってしまったのだ。
「二之宮さん、このあいだ言っていた協力しあうって話はまだ有効かな?」
大きな代償を伴う悪魔との契約だなんて知りもせず、二之宮凪沙と協力し合うことにした。
最初に実行することになった作戦は、凪沙が神坂を
俺は『凪沙を襲っているように見えたから神坂を捕まえた』と主張し、凪沙は『感情が暴走して神坂に触らせた』と主張する。被害者の凪沙本人が潔白を主張するので神坂が処罰されることはないだろうが、話し方で違和感を匂わせて学校側へ不信感を持たせるし、その後の流れとして凪沙の主張は封殺して俺の主張だけを学校内に流布することで神坂を孤立させる。更には、最初は神坂を信じるかもしれない岸元さんや神坂
そうなったら、俺は岸元さんと凪沙は神坂と関係を深めていく様にそれぞれが動いていくし、必要であれば互いに協力もし合うというものだった。
結論から言えば初動は思惑以上に効果があり、俺らが何をするでもなく岸元さんや神坂
しかし、悪魔が本性を顕してきた。俺と学校では一番仲が良いと言っても良かった
凪沙の狙いはまったく理解できなかった・・・例の空き教室で凪沙を脅迫して俺の仲間とともに手籠にする。しかも、演技などではなく実際に性的な接触をするのだ。これを頻繁にやらされて精神がおかしくなりそうだったが、何よりも堪えたのは佐藤・鈴木だけでなくサッカー部の仲間や先輩など親しい人達が次々に凪沙に篭絡されて性欲に塗れたクソ野郎に堕ちていったことだ。彼らは俺と違って凪沙に強制されているわけではないけど女の身体が刺激的だったのか行われる時には積極的に参加してくるし、なんなら『次はいつやるんだ?』などと笑いながら問い掛けてくる様にもなっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます