第7話 MAPPA BANZAI!
あの後10分くらい追いかけまわして、とうとう俺は洞窟の奥深く行き止まりのところで、ゴールデンスライムを追い詰めることに成功した。
ハアッハアッハアッハアッ
「やっと追いつけた...」
よっしこの大金を叩いて買った鋼鉄の剣でぶった切って倒してやるぞ!
これで、長年のレベルゼロともおさらばだ!
剣を振りかざしてスライムを叩き切る!そして目の前のスライムは姿を消してしまった。
やった!これでレベルが爆上がりして俺もとうとうレベルゼロとおさらばだやったああああ!
しかし、スライムを叩き切ったあと、しばらく佇んでいるけど何も変化がない...何かがおかしい....
レベルが上がると普通は、レベルカウンターの数値が変化するんだけど...
しかしカウンターの数値はゼロを指したまま....
一人でおろおろしていると、次の瞬間、後ろから何か冷たいものが首筋に突き付けられた。
はっと振り向くと、さっきの4人の冒険者の一人が俺の首に大鉈を突き付けているが分かった。
えっ?なんで?どういうこと?
「まだ気づかないのかお前は? お前の倒したと思ったスライムはただの映像だよ!馬鹿だなあ~そして私たちは、冒険者見習いのふりをして、お前みたいな鼻の下伸ばした、馬鹿な冒険者見習いの金品を強奪している、盗賊だ!」
少し吊り目のグリーンの髪の色をした、美人だけど性格がきつそうな子が大鉈を突き付けながら吐き捨てるように言い放った。
「せっ正確に言うとですね....私たちも盗賊見習いだから、この方と同じようなものですが...」
グリーン美人の後ろからおどおどしながら、ろけっとにゅーの茶色の子がぼそぼそつぶやくように言う。
「あっ馬鹿!そんな事正直に言う必要ないだろう!」
「ひえっごめんなさぃ...ううっレイナちゃん、言い方が怖いよ~」
「さっきのゴールデンスライムは、VRだよ、フェイクだよ、お前みたいな冒険者でレベルが低いのをターゲットにするために、ゴールデンスライムの映像で洞窟の奥までおびき寄せるための罠にきまってるだろう!」
「ええ!!そんなああ!あんなに苦労したのにいいい!!!」
俺は思わず地面にしゃがみ込みそうになる。
「あっ動かないでください!今大鉈の刃が首に食い込んでますから、本当に動いたら、切れて血が出ていたいんですよ!」
「おいハンナ、そんな丁寧な言葉を使う盗賊がどこにいるんだよ、もっと相手に恐怖を抱かせる感じで行かなきゃダメだって教官に言われただろう!」
「うぅ~でもう、だってえ、そんな言葉使っているところ、誰かにSNSにアップされたら好感度下がって彼氏できにくくなったらどうしよう~」
「こんな洞窟の奥で写メなんか撮るやるいないだろ!馬鹿!」
「ごめんなさ~い...うう...私やっぱり盗賊なんて向いてないのかも~職業選択に失敗したあ~」
「もう!あったまきた!まずこの腑抜けの冒険者見習いかたずける前に、ハンナ!お前を処分する!足手まといなんだよ!お前には消えてもらうわ!」
「えええ!なんでえええ、いやあああ殺さないでええ!一回もデートしないで死ぬなんていやだあああああああ!」
「おい!ちょっとまて!仲間割れなんてやめろよ!俺が全部持ってるもん置いて行けばいいんだろ!」
俺はそう言って、自ら真っ裸になる。
「きゃっ!うわ大きい...」
「そうだな...いやそんな事じゃなくて、おい!着てるもんまでいらねえよ!」
俺は入り口へ一目散に駆け足で逃げ出した。
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