薄茶色の滝
ひまり
第1話
滝が流れた。ザバザバと。
だが、その流水の落ちる先はと言うと、透き通った清水流れる川などでは無く、銀色に光り輝くシンクだった。
しかし、この滝、薄茶色に濁っている。
……何かがおかしい。
◻︎▪︎◻︎
私はその日、男友達の家へと、女友達と、ろくに話したことのない後輩の男の子と共に招かれていた。
そして、只今午前十時前後だと言うのに、家主の声掛けで仕方無く昼食を取ることになったのだ。
私は無理矢理、見たことも無い種類のカップラーメンを押し付けられ、女友達は金ちゃんヌードルを押し付けられ、後輩くんはハイカロリーラーメンを押し付けられていた。
そして家主はペヤングを選んだ。少食だと言うのに何故か大盛りを。
かくして、(半ば強引に)皆のメニューが決められたことで、各々調理に取り掛かった。
私は女友達と共に調理をし、男子軍の方などロクに見ていなかったが、ふと目をやると、男友達がペヤングの湯切りをしている光景が目に映った。
シンクにお湯が落ちていく。
茶色いお湯が落ちていく。
その時、一斉に私達は悟った。
彼は「先にソースを入れてしまった」のだと。
薄茶色の滝 ひまり @ergot
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