第22話 階級社会国
「リファはやっぱり力があるなら弱者を助けるように使うべきだと思うか?」
「わかりません。でも、そうでありたい」
「耳が痛い」
二人は並んで樹海を歩く。
結局、馬車襲撃において生き残ったのは俺とリファだけだった。俺が最初から動いていればおそらく全員を助けることができたはず。
わかっている事実をリファは追求しようとしない。
その代わり沈黙の時間が流れてしまう。
なんというか背筋がむずむずしてしまうな。こんな状況に慣れていない。俺以外の奴は騒がしい奴ばっかりだったからな。
「でも、ありがとう。私を助けてくれて」
「おう」
不器用な笑顔でギルを見る。
さて、こんな時はどんな顔をすればいいのかわからないから、俺はつい明後日の方向を見てしまった。
「そういえば、これから誰に会いに行くんですか?」
「ん? そういえば言っていなかったか」
「はい」
「会いに行くにはデューク。世間的にはデューク・マウス、と呼ばれている陰湿な説教モンスターだ」
「デューク……さん、か……」
きょとんとした様子のリファ。
まあ、名前を聞いただけじゃイメージ湧かないよな。
「ついでにさ、確かロンドリアを滅ぼしたギルの仲間って十二人いるんでしょ。どんな関係系なんですか」
「兄弟だけど」
「ふ~ん兄弟ね。なんだか普通……って、え、兄弟!」
おっと、想像以上にリファが驚いてるな。
ん……これは一般に知られていなかったことだったか。別に隠していることも出もないし問題ないか。
「兄弟が十二人もいたんですか?」
「まあね、珍しいと思うけど」
当時のロンドリアは家族が一人増えるだけでも負担がやばかったっていうし、男女六人ずつはしんどかったんだろうな。
「デュークは一番上。まあ、長男ってやつだな。俺は一番下。少なくとも俺よりも優しくないから注意したほうがいい。デュークに逆らうことはできないから」
「脅さないでください」
「本当のことだよ」
※
馬車の襲撃はキリル王国内で起きていたらしくすでに居住区は近かった。
深緑の森の中を歩く二人は襲撃に備えて常時緊張した面持ちで過ごしたいたようだが今日限りで終わりそうだ。
樹海の先明らかに今までと違う眩しい光が待ち構えている。どうやらもう少しで森を抜けるようだ。
「わぁ~」
先の襲撃で盗賊に対してトラウマが生まれた感じがするリファは緊張と言うよりもビクビクと過ごしてきた日々だったが、一気に緊張がほぐれて足早に駆けていく。
「転ぶなよ」
その後ろからギルもロングコートのポケットに手を入れてリファを追うように早足になる。
森を抜けた先に待っていたのは華やかな街並みが印象的な見渡す限り綺麗な石造りで作られた大きな町だった。
「ギルこれがキリル王国ですか!」
「そうだよ」
「へぇ~、ファーガルニと違って樹海が終わったらすぐに町があるんですね」
リファが言うのはファーガルニとの相違点だ。
ファーガルニ王国の場合、発展している町は一部でありその以外は田園風景が当たり前に広がっている。
当然、国境付近が発展しているわけもなく森の続きの様な場所だったためだ。しかし、キリルはファーガルニと比べると規模は劣るものの発展具合で言ったらほとんど対等と言っても過言ではない。国土のすべてで同じような発展を遂げているため国民たちの暮らしに場所による差はない。
「初めての外国、ん~、楽しみ! ……ぐふっ!」
喜びを爆発させて、その勢いで入街しそうになったリファをギルは首根っこを摑まえて制止させた。
「ちょっと待て。言っておかないといけないことがある」
「もう何ですか! せっかく上機嫌で行こうと思っていたのに!」
不満たらたらで眉に皺を寄せて唇を突き出すように不機嫌になる。
「その前にこの国の絶対のルールを知っておかないと拘束されるんだって。下手すればその場で射殺もある」
平然と言うギルにリファの陽気な顔が沈んでいき青くなる。
「それって?」
急におとなしくなったリファはまたしても震えだした。
まあ、無理もないかもしれない盗賊の襲撃で色々と怖い目にあったんだ、命に関することなら今のリファには説得力が強すぎるのかもしれない。
「そんなに畏まるな。ただの規則のことだ。守っていれば何の害も加えられることはない」
「――う、……うん」
怯えるリファの頭に手を置いて安心させようとするギル。
「その決まりって何?」
「その前に、この国を一言で言うならば超格差社会国だ」
「格差……?」
「そうだ、でも、差別を生むものじゃなくて、まあいいや。具体的に言っていくと層は六つに分かれていて、上から王族、貴族、上流の平民、平民、奴隷、その他がある。俺達のようによそから来たものは第四層――まあ、平民だな、それに分類される。んで、絶対の決まりは自分よりも上位の者に逆らってはいけないということだ。ひとまずそれを守れば即座に処刑されることはない」
「うん、わかった。……でも、ギル、この国にも奴隷っているんですよね」
リファの目が遠くなる。きっと、馬車の中の人でも思い出しているのだろか。
「この国の奴隷は他の国と違って性の捌け口になることも暴力の対象になることもない。ただ、国家の所有物として賃金に似合わない長期労働をするくらいだよ。噂だと極東の島国は同じことを平民がしているっていうし、さして問題はないと思う」
「……それなら、……いいのかな……あっ、それいえば『その他』って何? 階層的には奴隷によりも下ってことになっているけど」
「これは多重債務者や自己破産した者、捕まるのを恐れた犯罪者、事業に失敗した者が住み着くスラムの様な場所だよ。国家権力の及ばない無法地帯。元々キリルの公共衛生は綺麗に保たれていて、国によって生活が保障されているから飢えることもない。同じ階層の奴らは同じ生活をしているのがこの国だ」
でも、と
「第六階層だけは違う。国による保護は一切ない。そこには暴力と憎悪しかないと言われている。だからこそ奴隷達も自分が一番下じゃないと思えてこの国ではクーデターが起きたことはない」
「……すごく怖いところなんですね。……それで、デュークさんはどこにいるんですか? すごそうな人だから第三階層あたり……」
胸の前で手を組んで心配そうに言うリファ。自分は第四層に分類されるため会えないじゃないのか、という一抹の不安がよぎったのだろうが……。
「はっはは、残念、デュークがいるのは第六階層だ」
「えー!? どうして!」
今日一番の声を出したリファは驚いた後に膝に手をついてゆっくりと項垂れた。
「さあ? 本人曰くネズミにはここがお似合いだそうだ」
「ふ~ん、でもこれで会いやすくなったから。よし、行きましょう!」
相変わらず切り替えの早い子のようだ。
かけていく姿を見ながらギルも後を追う。
※
リファにとっては初めての外国である。
入国してから数時間たったが未だリファは「へ~」や「すごい」を連呼して周りにいる人から笑われている。
ギルもため息をついて頬が赤くなっていた。
……あぁ、恥ずかし恥ずかし。
ファーガルニの王都とさして変わらない様な風景が広がっているが細かく見ていくとその違いが明らかになる。
まず、町全体を包む石造りは清潔感を届けて、人工的に作られた川もきっとそのまま手ですくって飲めるだろう。何よりの違いは街に活気があることだ。過ぎ去っていく人の目は輝いている。
初めての外国がうれしいのかリファは感嘆の言葉を漏らすだけでなく、その足止める術を知らない。
気になる、という好奇心が目覚めてしまったようであっちこっちの店の中を覗いている。
「ギルー! 早く、こっちだよです」
通りの向こうにいるリファは出店に並んでいる商品に見入っていた。
「まったく」
手で頭をかきながらリファの後をついて行くギル。ここにきてまだ子供のような天真爛漫な一面を見せているリファに苦笑いしながらも悪い気はしていなかった。
「今度はどうした?」
リファのいる出店に顔を出すと、そこには彩り豊かなアクセサリーが販売されている。
「――」
無言で商品を選別しているリファの目は鬼気迫るものがあった。どうして、女の子はこうもこの手の物には一切の手が抜けないのか。
きっと、それは男の一生の悩みの種だ。
「むむ」
ここにきて発した言葉は悩みを増幅させる代名詞だった。
「ん?」
リファの手元を覗き込んでみると一つの髪の色と同じのクリーム色をしたブレスレットを持っている。その目から絶対にほしいオーラが出ているが実行できない所を見ると金欠なんだと悟った。
はあ~、とため息をつくと、
「そこの嬢ちゃんが持っているの頂戴」
「どうもね」
「これでいいかな」
「はい、丁度もらいました」
店主のおっちゃんがテンション高く答えてくれる。急なことで驚いたのかリファはギルの方を見て固まっていた。そして、ゆっくりと口を開く。
「いいの? ギルもあまり持ってなかったでしょ」
「子供が金の心配するのは百年早い」
「そんなこといって行き倒れていたくせに」
「耳が痛いな」
「まあ、ありがとう」
顔を赤くして俯き照れを隠して言う、そして、手に持っていたブレスレットを購入した。
「また来てください」
買ったブレスレットを早速手につけてクルクルと踊りだす。
その様子を眺めつつ、少し寂しくなった懐を案じていると、ふと、周りで違和感が発生した。さっきまで饒舌に客を捌いていたおっちゃんが地面に頭をこすりつけて土下座をしているのだ。
「――あっ、これって!」
瞬時に状況を把握したギルはリファに伝えようとするが、さっきまで隣にいたはずのリファはどこにもいなかった。
「っもう、どこへ……」
周りを見ると幅十メートルを余裕で超える石造りの道のど真ん中にいた。どうやら、反対側の店に狙いを定めたんだろう。その目は興奮しきっていて周りの状況が入っていない。
「――まったく」
大声を出せは気づく可能性があったがそれを行うことは出来ない。その理由は前方の通路から見える強大な陰にあった。
カラカラと木製のタイヤがリズム良く回っている。そこにはいつか見た奴隷車とは比べ物にならない様な豪華な馬車が走っている。
「ここままだと……」
危機感を覚えたギルは目をチラチラさせて周りの人が全員頭を下げていることを確認すると、魔力を使って体に電気負荷をかけると一瞬の内にリファを回収すると、その場を離れた。幸い、ギルの魔力を見たものはいない。
「――あれ?」
ようやく正気に戻ったリファは知らない間に場所が変わっていたことに困惑する。
さっきまでの華やかな人通りの多い通りではなく人気のない路地裏だった。
「ここはどこ、ねえ。ギル、私どうしたんですか。ギルに奢ってもらったあたりから記憶が曖昧なんですけど。さっきまで道の真ん中に」
「危なかったよ」
壁にすがるように座っているギルが答える。
「さっき、リファがフラフラしていた前から貴族が乗った馬車が近づいてきたんだ。あのままだと確実に処刑されていたよ、前を横切ったということでね」
「――えっ! あ、うん、そうなんだ」
「言っただろ。この国で賢く生きるのは自分よりも上の層の人間に逆らわないことだって!」
「うう、……ごめんなさい」
少しきつい口調で言いすぎたせいかリファの目には涙が溜まっている。
「いや、まあ、でも、次からは注意してよ」
女性が泣いた場合の対処方法を多く知らないギルはひとまず焦ったことを悟らせない様なステラに言った。
「ちょっとはしゃぎ過ぎて周りが見えていなかったみたいですね。うん。反省しました。次からは気を付けます」
「そうしてくれ」
「にしても……」
急にリファの顔が不敵の笑みを浮かべる。
……さっきまでの涙はどこへ行ったのやら。
「ギルって優しいですね。何度目だろうね、私を助けてくれたの」
「別に、オーラに顔が立たないからね」
ものの見事に立場が逆転してしまった二人。
「さすがに私も懲りたから、もうデュークさんの所に案内してよ」
「そうだな」
腰を上げたギルが歩き出そうとした時に、ステラがギュッとギルの腕に抱きてくる。
「お、おい。リファ!」
「いいでしょ別に、私がふらふらしないようにしっかりと見張っていてください」
上目づかいで軽く舌を出して言うステラは妙に可愛く見えた。
ものすごくあざとく……。
それからはひたすらキリル王国の北へ向かって移動した。
常時、リファはギルにくっついたままだったがまたフラフラして面倒なことを起こされると大変ということでギルも何も言わなくなっている。
半日が経過した。
「まだ~」
「もう少しだ、この国も広い。多少の歩きは我慢しろ」
二人が今歩いているのは最初と大差ない華やかな道だった。しかし、そこで違ったのはそのまま大通りを歩いて行くのではなくて路地裏に入って行ったことだ。
「ギルはよく会いに来るの?」
「たまにね、顔を出し程度だけど」
徐々に町の喧騒が遠ざかっていく。心なしかだんだん清潔感あふれていた街並みがどこと行ったのやら、ゴミが散らばるようになってきた。
クネクネと何度も路地を曲がり進む。正しい順路がいくつあるかわからないがもしも、これ一つなら確実に偶然ではたどり着けない。
そうこうしている内にキリル王国ではない別の国に来たのではないだろうか、と錯覚してしまう程に汚い場所に出た。
建物は悉く倒壊していてまともに建っているのが一つもない。それに、表通りは綺麗な石造りだったにもかかわらずここは地面がむき出しになっている。しかし、それ以上に目につくことは『汚い』ことである。
――落伍者のたまり場。
ギルからそんな風なことを聞いていたが実際目の当たりにすると口に手を当てて眉に皺が寄るほど不快なものがあった。
何事もない顔で歩いているギルを横目にリファは軽く驚いていた。
なぜなら、綺麗な表通りからここまで時間にして十五分もかかっていない。行こうと思えばいつでも行き来できる。つまり、十五分という壁がこの場所を外界から切り取っているということだ。
ギルにぴったりとくっついてキリル王国に置いて最下層に位置する『その他』の人が住む場所を突き進んでいく。道中に思わずぎょっとしてしまうことがいくつもあった。
――そこら中に投げ捨てられている食べ物が散乱している。
――たまに見かける人は紙や髭が伸びまくっていて一見では年齢が計れない。
はっきり言って人が住んでいい場所に思えなかった。確かにこれを見た後だと奴隷の方がいいように思えるのも無理ない。
リファはこの光景に恐怖すら覚えている。ファーガルニでも悪政によって都市がぼろぼろになったところがあるような噂を聞いたことがあるが、ここまで酷くはない。
ただでさえ盗賊に襲われて、貴族の前を横切りかけて、と様々なトラウマが埋め込まれているためなるべく波風を立てずに行きたいというのが本心であった。
しかし、こういう時に限ってうまく事柄は進んでいかないものである。
「亡霊共が」
憎々しい声で言うギルの先にはボロボロの布きれを羽織った年齢不詳の男性がいる。
「女だ、女がいる」
怨念と間違われても仕方がないようなガラガラ声だった。
「ギ、ギル」
「ここで一番不足しているのは性的なことだ。狙われているよ、リファ」
怯える様に裾を掴む手に力が入る。
「まあ、安心しとけ。ここは無法地帯。やたらめったに魔力は使わないけど、こいつら程度なら体術で十分だ」
「うん」
ギルの体に隠れるリファは擦れる声で答えてくれる。
「さてと、あいつが来る前に会いに行かないとね。だからどいてもらうよ」
「ぁぁぁぁぁぁぁあ!」
リファにしか目に入っていないのか血走った目によだれを振りまき散らして猛進してくる。
「あらよっと」
「おぶ!」
自分の間合いに入った瞬間にギルは拳を相手の鳩尾にいれた。悶絶する男性はやがて気絶した。そのことを確認して先に進もうとすると、袖がピンッと引っ張られた。
「ん、どうしたの、リファ?」
顔面蒼白になって眼前を見据えるリファ。何事かと思ってギルも前を見てみるとそこには女に飢えた男の群れがあった。
『ぁぁぁぁぁぁぁあ』
既に無意識の内で女を求めているように見える。汚い体にボロボロの服。それでも、性欲は別物のであって、中には全裸の男もいる。
――どうやらリファの女フェロモンの効果は抜群。
――なんてのんきなことを言っている場合じゃない。
どんなに実力があっても多勢に無勢、苦戦が予想される。
「面倒いな!」
リファを背中に隠して迫りくる男達をなぎ倒していく。
ギル体を囲む数が三十を優位に超えている。今は何とか一人で対応できているけどこれ以上増えたら手に余る。だからといって魔力やアルグラードを使えば完治能力の高いキリル王国の騎士に感づかれる可能性もある。特にギルは魔力コントロールが苦手なきらいがあるため実行できない。
ドゴ! バギ! ドゴ! 的確に人体の急所を突いて気絶させていくが、やっても、やっても数が減っている感じがしない。
「ギ……ギルぅ……」
途絶えてしまうそうな声で呼ぶ、これまでリファは命の危機があったけど、その中では今回最も安心だと言えるが心理的には一番来ているだろう。
むさ苦しい男無数に囲まれていい気分な女なんて絶滅危惧種に認定される。
「ごめんなさい、ギル。私がついてこなかったらこの人たちもギルの周りに集まらなかったんだよね。私のせい……」
「ああ、全くその通りだね」
「――えっ!」
バッタ、バッタと的確に攻撃していきながらギルが答える。そして、自分が予想していた答えと違ったリファは言葉に詰まる。
「なんだ、慰めてほしかったのか」
「べ、別に……」
「リファはまだ幼い失敗することだってある。大切なのは同じ過ちを二度繰り返さないことだ。だけど、この程度ならいくら集まっても問題ない。つまり、お前がいてもいなくても大きな問題じゃないってことだ。だったら側にいろ、迷子になられても困るからな」
涼しい顔で言い放つギル。そんなギルを見てリファはこの場所に来て初めての微笑みを見せる。
「本当にギルって不器用だし、優しいね」
「そんなんじゃないって言っているだろ」
「それでもー!」
ギルとリファが会話をしている中、周りを取り囲む人の雑音が大きくなった。一人では自らの欲求を満たせないと判断したのか集団で攻撃してくるパターンが増えた。
ガヤガヤと賑わう屋台の様な喧騒が続く、その時間経過とともにギルの顔に焦りが見える。
「やばいって早くしないと……」
しかし、未だ数が減るイメージは湧かない。
『五月蠅いな、少し静かにしようか。――昼寝、それが良い。その耳障りな口を閉じてくれるならな』
突然、低音だけど綺麗な声が聞こえた。しかし、全貌は丁度太陽と逆光の関係になっていてはっきりとは見えない。
「やべ! こっちから行く前に来ちゃったか!」
「誰?」
ギルが焦ったように口元を引きずっているのに対してリファは何が起きたのは分かっていない。
『良い夢を』
そう言うと、パチン! と指を鳴らす。途端にギルの周りを囲んでいた男たちが次から次へと泡を吹いて倒れていく。
――どうしたの?
目の前で何が起きたのは理解できなかった。そして、状況を知っていそうなギルに確認しようとすると急に背筋が凍るように寒くなる。それに続いて呼吸が荒くなっていき意識がぐるぐると回っているような気がした。
「あっ! しまった、ごめん! リファ」
ギルが何について誤っているのか分からない。もう考えることも出来なくなっていく。
次に眼を瞑ったらきっと。
そうは思っていてもリファの意識は何かに引っ張られていくように抜けていき、そのまま地面に倒れた。
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