第11話
福岡に隕石が落下してから3日経過したが、未だ両親と連絡がつかない。
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生きた心地がしなかった。
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両親を探しに行きたいが、跡形もなくなった福岡は、新幹線はもちろん道路も陥没しているため近づくことができず、両親が今どこにいるのかも分からないので探すあてもなかった。
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何もできない自分がもどかしくてたまらなかった。
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落下から5日が経った日
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知らないアドレスから一通のメールが届いた。
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「お母さんの高校時代の同級生です。お母さんと一緒に逃げていたのですが途中ではぐれてしまいました。ただ、何か合った時にお互いの子供に連絡できるように、あなたの番号を聞いておきました。お母さんと連絡がつかないのですが、連絡はありましたか?」
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母親の同級生が心配して僕に連絡をくれたようだ。
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すぐに返信した。
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「連絡ありがとうございます。僕も連絡がついていません。何か情報があれば教えていただきたいです。」
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こう返信すると、しばらくしてから返信が来た。
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「あなたのお母さんをここの病院で見たという話を聞きました。行ってみてください。」
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最後に病院名と住所が書かれていた。
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岡山県の病院だった。
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両親はここにいるかもしれない。
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頼む。無事でいて。
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両親と連絡がつかなくなってから、何度祈ったか分からない。
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だが、これでもうすぐ両親に会える。
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僕はすぐに教えてもらった病院へ向かった。
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岡山までは新幹線が通っており、3時間程で岡山に到着した。
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教えてもらった病院まで一目散に駆け込んだ。
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病院に到着し、中に入ると、ものすごい数の人が殺到していた。
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家族を失い泣き叫ぶ遺族の声があちこちで聞こえてきて、病院は悲惨な場所となっていた。
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走っても走っても両親は見つからない。
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そんな時、少し先の壁に貼ってある「死亡者リスト」をみつけた。
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