第3話

アメリカ政府が各国に向けて緊急会見を開き始めた。

その様子がこれから世界中で緊急生中継されるようだった。

.

.

.

テレビ番組は全てこの会見の様子に切り替わった。

.

.

.

映像にはアメリカ大統領やその他大臣など関係者がずらりと並び、端の席には隕石の専門家であろう北欧の顔立ちをした中年の男性が座っている。

.

.

.

世界で同時に緊急会見が開かれるなんて、そんな事今までになかった。

.

.

.

胸がざわざわする。

.

.

.

アメリカの大臣が話し始めた。

日本語に通訳された音声が聞こえる。

.

.

.

「ここ数ヶ月に各国で複数の隕石が発見されている件について

.

.

.

研究チームの鑑定の結果、見つかった隕石は、地球の周辺で爆発した惑星の破片と判明されました。

.

.

.

まだいくつかの破片が地球に向かって接近しており、このままだと地球に落下する可能性があります。

.

.

.

落下を阻止する為、アメリカの調査チームが隕石を破壊する、もしくは地球に当たらないように軌道修正を行えるように、対応を検討中です。

.

.

.

.

しかし、万が一落下を阻止できない場合

.

.

.

.

.

.

.

皆様には緊急避難をしていただく必要があります。

.

.

.

.

.

緊急避難の対策として〜、、」

.

.

.

.

.

緊急避難?!

.

.

.

緊急避難を示唆するなんて、衝突する可能性は大いにあるってことか?!

淡々とした口調で説明が進んでいるが、気持ちが全く追いつかない。

.

.

.

.

対策の内容は、各国の大臣からそれぞれの国の対策が述べられたが、日本政府は隕石が接近してきた際にMSRサイレンを発動するので、サイレンが鳴った際は至急避難をすることと、避難場所として、全国にできるだけ多く地下室を作ること、と述べた。

.

.

.

.

会見は最後に専門家から、隕石落下は極めて可能性の高い話であり緊急事態と認識をしてもらいたいとの発言で締め括られた。

.

.

.

.

急に緊急事態だと言われても、地下室を作るので地下に逃げなさいと言われても僕は受け入れられなかった。

.

.

.

命を落とすかもしれないという、今まで感じたことのないたぐいの恐怖を感じた。

.

.

.

僕はテレビの前で動けなくなっていた。

.

.

.

しばらくして、僕の部屋をノックする音でふと我に帰った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る