第5話 トイレットペーパー論争

もうだいぶと学校に馴染んできた。裕太が陰キャなのか陽キャなのかはまだ分からないが。かおちゃんのアピールにも慣れてきた。

しかし最近、悩みのタネが増えてしまった。


「やっぱりトイレットペーパーは〇〇のが1番いい!!」


「いーや違うな!△△の方が売上データ的にも上だし肌触りも滑らかで柔らかくていい!!」


「なっ!売上は関係ないだろう!?売上に関しては値段が安いとか売っている店舗が多いとかが理由だろ!それに肌触りに関しても俺は硬い方が好きだ!」


「それあなたの感想ですよね?」


「うぐっ」


「「咲希/咲希ちゃん!!どっちがいいと思う/思うんだ!?」」


「えっとね、どっちも!!!じゃ!」


そう、悩みの種とはこの双子、彼方(かなた)と其方(そなた)なのである。この2人何故か知らないがトイレットペーパーについてをいつも議論、、、というか揉めている。そしてなぜかいつも私に聞いてくる。正直言って私はトイレットペーパーについて考えるのは時間の無駄だし人生において重要じゃないと思っているのでこの2人が聞いてきたらどっちもと答えている。この2人の見分け方は、私を呼び捨てしているかちゃん付けしているかだ。(ちゃん付けが彼方、呼び捨てが其方)

そして、ここ最近私は思ったことがある。それは、みんな何かしら変なのに、″顔だけは″いいのだ。本当に不思議なのだ。そして、性格が変じゃない、あるいは礼儀正しく常識の範囲内の人は決してイケメンではない。つまり、″中身だけは″いい人なのだ。そして今の所そうすれば納得がいく。−−−−1人を除いて。その1人というのはそう、加藤裕太だ。彼は、常識を持っていて、おかしいところは一つもない。でもイケメン。おかしい。私の考えが正しければ彼も何かおかしいところがあるということになる。つまり、私の知らない所(家の中とか)では何かしら変ということ。彼は何を隠しているんだ。わかっている。こんなの人のプライベートに踏み入ろうとしているのと同じだ。でも、何故か彼のことだけが頭から離れない。




−−−−−−この感情の名は、なんなんだろうか。





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この学校に行けばイケメン耐性がつきます。 @marono222

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