恋愛教習所

@ramia294

第1話

 早いもので、大学生になってから、1年が過ぎました。

 生活もすっかり落ち着いた私。

 クルマの免許でも取りましょう。

 私のふるさとは、山あいの小さな町。


 失礼しました。


 村です。


 クルマは、必須。

 家に帰れば、ツーシーターのオシャレな…


 失礼しました。


 軽トラが、2台。

 子供の頃から、乗っている私。

 家のお伝い、無免許運転、

 ゴメンナサイとお詫びします。

 

 細いあぜ道、平気です。

 揺れる吊橋、平気です。

 実家のクルマは、マニュアルのスポーティな軽トラ2台。

 当然免許もマニュアルです。


 出会いは、自動車教習所。

 同じ大学通ってる、

 優しい彼は、私の自慢。


 一緒に免許取得中。

 私の彼は苦戦中。

 それでもふたりは、教習所。

 無事に卒業、

 おめでとう。


 私の取得は、最短時間。

 彼の取得は、最長時間。


 無理してマニュアル挑戦の

 彼は、運転苦戦中。


 小さなクルマを手に入れて、今日はドライブデートです。

 

 私が運転担当の

 キラキラ海沿いドライブです。

 楽しいデートの帰り道、

 クルマの少ない峠道。


「練習してみる?」


 本当は、とても怖いけど。

 彼の役に立ちたくて、

 ついつい、言ってしまいます。


 彼の肩に、何かしら?

 重いものが乗っている?

 ガチガチガチと聞こえてきそう、

 肩に力が入っています。


 崖から落ちるその事が、

 怖くて真ん中走ります。

 ヨタヨタ峠を走ります。 

 最高速度は守れても、最低速度は守れません。

 気づけば、うるさいクラクション。

 下品なクルマが、煽ってきます。

 下品なクルマは、スポーツカー。

 この速度では仕方なく、峠のカーブの真ん中の、

 少し広くなっている、

 途中でクルマは、停止中。

 下品なクルマをやり過ごす、

 小さなクルマは、停止中。


 下品なクルマのお兄様。

 通り過ぎざま、


「バカヤロー!」


 バカヤロー?

 私の彼の事ですか?


 私の彼は、変わり者。

 大学、理学部、変わり者。

 中でも、最も変わり者。

 数学、学ぶ、変わり者。


 変わり者ではあるけれど、

 バカヤローでは、ありません。

 発言撤回してもらう。

 そのため、運転交代です。


 先行く下品なお兄様。

 追いかけ走る小さなクルマ。

 小さな車体が真横に滑り、

 タイヤを溝に引っ掛けて、

 追いかけ目指す、お下品な、

 お兄様のスポーツカー。

 下品な発言、許しません。


 追いつく下品なスポーツカー。

 焦る運転お兄様。

 私は、煽るつもりなく、

 謝罪を求めているだけです。


 お兄様のスポーツカー、

 怪しい挙動が目立ちます。


 そんなところで、アクセルを、

 そんなところで、ブレーキを。


 気づけば、素敵なスポーツカー。

 ジャンプ競技に挑戦ですか?

 それとも、本当はラリーカー?

 崖下向かって疾走です。


 結局、謝罪は受けられず、

 彼にゴメンと謝ると、

 お返事返って来ませんでした。


 助手席座る彼の目は、

 閉じられ心は異世界へ。


 ふたりで走る峠道。

 心ウキウキ楽しいデート。

 私だけが目覚めてる。

 彼は失神、お休み中。


 気づいたときは、彼の家。

 フラフラフラとよろけてる。

 彼の足どり怪しくて、

 門の中に吸い込まれ、

 振り返らずに、帰った姿。


 あなたの笑顔は、今何処に?

 この恋、まさかの急停止?

 あなたの心に走り出す

 私の中の恋心。

 小さな胸の恋心。

 不安が煽る恋心。


 この恋、早くも赤信号。

 助けて、恋の青信号。


 私の恋愛、仮免許?


 私が求める免許証。

 彼との恋愛免許証。


 恋のゴールを目指す道、

 ふたりの恋の走り方

 教えて恋愛教習所。


          (⁠◕⁠ᴗ⁠◕⁠✿⁠)ジャアネ~!



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