第三節 appassionato

    8.



『スクラップフィールド史上最大・最高の歌劇場、開幕!!

 阿鼻叫喚を誘う奇術団、世界最高峰の喜劇団、壮麗なるアリアを迎えて堂々の完成!』



 街に号外としてバラ撒かれるチラシには、そんな文句がでかでかと印刷されていた。

 道行く人々に直接手渡されるのは勿論、ブティックやサロン、街頭の柱まで、同じレイアウトの紙切れが至るところに張り出され、そのどれもが同じように劇場の完成を祝えとばかりに主張してくる。今やその関係者となったジャックだが、さすがにこれは鬱陶しいのではないかと思わなくもない。


 そんな広告を街のあちこちで見かけるようになってから、スクラップフィールドそのものの様相も変わり始めていった。恐らく『出演者』の一部でもあるのだろう、ごく数名の手品師や曲芸師が徒党を組んで街を練り歩き、通行人の目を賑わせていた。噴水広場でも大通りでも、住宅街の狭間のちょっとした広場にも、日によって面子を少し変えながら、芸を見せるついでにチラシを配っていた。ただでさえ目立つ場所に建つ豪華な劇場だというのに、住人の隅々にまでその知名度を浸透させようとしている。国営事業の徹底的な宣伝の姿勢にジャックは舌を巻いた。

 街には花売りや古物商などがよく現れるようになった。劇場の宣伝は国外にまで広がっているらしく、観光客や移住者は前年よりも遙かに増えているとラインデルフは言う。荒稼ぎをしようと目論む商人達が出入りするおかげで、街は以前に増して華やかに活気づいていった。


 そして今日、さっぱりと晴天に恵まれた休日に、劇場は封を切った。


 公演開始から一週間は高価なチケットを買わずとも自由に出入りできるよう計らった役人達の策と、働く人間の休息日に日取りを合わせたこともあって、初日は街の総人口が集まったのではないかと思えるほどの観客が押し寄せた。

 開幕に際して劇場総支配人であるラインデルフが壇上に上がっての挨拶では、当然のように満席状態である上、立ち見の客も溢れるほどに集まっていた。

 挨拶を終えて一礼したラインデルフに送られた、割れんばかりの大喝采に、舞台袖で聞いていたジャックは思わず面食らった。これだけ騒々しい音を耳で聞くばかりか、臓腑を揺らすほどの大音量を体感するのが初めてだったのだ。それを傍で見ていた、先日突っかかってきたカラプシ一座の取り巻き達に茶化された。


「これから何度だって、こういう歓声を浴びていくんだぜ。惜しみない拍手と野次ってやつをな。客数は多少減っていくだろうが、俺達は今日のこれに劣らないぐらいの喝采を生み続けてやるんだ。今の内に慣れとけよ、坊ちゃん」


「……僕のテントには、ここの十分の一も席がありませんから」


「それでもだよ。みみっちい人形劇でもせいぜい楽しませてがっぽり稼げ」


 相変わらずの厭らしい顔がこれ以上こちらを向いてくるのを避けて、ジャックは舞台袖から退散した。

 自分の持ち場である夜色のテントに引っ込み、荷車の各所の仕掛けがきちんと動くかチェックをする……という体で、あまりに騒がしい場所から自分を遠ざけた。防音性に長けた高価な建材を使っているおかげで、中の喧噪は微かに漏れ聞こえる程度に抑えられている。

 開場の式典が終わって数分で、主となる大舞台では各劇団の出し物が順次始まっていく予定だ。ジャックの人形劇 《ただ寵愛される舞踏の姫》も、それらと並行して開始するよう言われている。なんでもこのテントは観客の整理などから扱いが特殊にならざるを得ないため、前売りで予約席を買う方針になっているらしい。無料公開期間の現在はただの整理券だが、チケットの捌け具合からして、しばらくは満席状態になるだろうとのお達しだった。


「…………」


 ジャックは荷車に備え付けられた保管庫の中から、箱詰めにされた人形『プリ・マ・ドンナ』を取り出す。蓋を開けて人形を取り出し、繰り糸の張られていないぐったりとした四肢を持ち上げ、少女をかたどった精巧な顔を何はともなく見つめる。

 もう間もなく、自分の出番が来る。先日まで青天井の寂れた広場で勝手にやっていた頃よりも、このテントは閉塞的ではあるが、用意された席数はこれまで以上に多い。ホールで催される派手な出し物に客を取られる心配もないとのことだ。聞いてもいないのにわざわざ知らせてくれた役人に辟易しつつ、ジャックはドールの繰り糸を丁寧に解いていった。

 やることはいつもと変わらない。この人形を使って、たった一つの演目 《ただ寵愛される舞踏の姫》をやり遂げるだけだ。指示された時間帯に、ジャック自身が何よりも不可解を感じているこの人形劇を、いつも通りやっていれば良い。

 解り切っていることだというのに、何故か少年は、己の内から噴き出すような震えを止められずにいた。

 早鐘のように高鳴る心臓はいつにも増して落ち着きがなく、身体中から滲み出す脂汗が酷く不快で、目の焦点が合わないのが自分でも解る。腕全体に無駄に力が入っている。人形を持ち上げる手の微細動が止まらない。

 ここ数日、ずっとこうだ。用意された新しい家は間借りしていた物置よりも住み心地が良く、断然人間らしい暮らしが出来る場所であるはずなのに、新品のベッドは氷のように冷えていた。独り身には持て余す広い部屋は無性に寂寥せきりょうを呼び、居ても立ってもいられず外に出る回数が増えた。巨大で派手な劇場の外観が見える度に胃の底が突き刺すように痛んだ。眠れない日が何日も続いて、そうして今、ジャックは劇場開幕の日を迎えている。

 スチームスポットでは感じたことのないような緊張感に、ジャックは戸惑っていた。

 遡って考えてみれば修業を終えて独り立ちした日、一族以外の人前で初めて人形劇を打ったときは、観客など居ないも同然の閑散としたものだった。だからこそ気負わずにやれたということもあり、日を追うごとに観客が増えていくにつれ段々と慣れていったのだと、ジャックは思う。それでも両手の指に少し余るほどの人数だったが、今回は違う。

 これから先は、違う。

 今は誰も座っていない空席を全て埋めるほどの大人数を、最低限の集客としていなければならないのだ。

 運営が執り行なった派手な宣伝によって押し掛けた大量の人、そのおかげで完売した予約のチケット。初日の熱気も長続きはせず日を追うにつれて客は減っていくだろうということぐらいは誰もが想像しているだろうし、収益の下方修正も当然されているだろう。気負うことはないということぐらい、ジャックにも解る。

 だが、冷静に思考しようとする意識とは真逆に、体は、内心は、重圧に屈するほどに震えている。

 溢れ出すのは、根も葉もない〝もしも〟の話。

 表面的な理論武装では抑えが効かないほどに、より深いところから込み上げてくる吐き気のようなものが、ずっと止まらない。冷静であろうとする自分と、弱気を隠せない自分が、互いを食い潰そうとせめぎ合う。身一つに起こるその心理は、拒絶反応のように少年を苦しめていた。

 自ら選んだ道だ。後悔は無い。だからこそ、誰もジャックを救えない。この恐怖は、自身で乗り越えるしかない。

 ああ、こうなると知っていれば、解っていたならば、あの田舎町で一生を過ごすと諦めかけていた日々がどれほど気楽だったものか。

 どれだけ怯えようと時間は経ち、程なくして最初の公演が始まる。その追い立てられるような感覚も、ジャックの緊張を激化させる。両手の震えが止まらない。カタカタと揺れる人形の音が、今の情けない姿を見せつける鏡のように感じ、そして、


「…………」


 ふと、気付く。手元の人形、先代から受け継いだ『プリ・マ・ドンナ』の顔を。

 初代ジャックが有志と共に作り上げた最上級品である人形は、それに価値を見出す者――主に一族と関係者――に言わせれば、最も目を惹かれるのはその表情であるとのことだった。

 ふっくらとした頬に少女らしい幼さが残りつつも、彼女の表情はどこか憂えている。半目に伏せられた瞼は眠そうでもあり、目の前の人間を呆れたように聘睨へいげいするようでもあり、そのガラス玉の瞳に映る光景全てを、下らないと、そう言っているかのような作りで完成していた。

 実際その通りなのだろう。《ただ寵愛される舞踏の姫》の大筋もそのようなものだ。田舎での暮らし、変わらない毎日に辟易とした少女が、夢を求めて世界を廻る。天賦の美貌に慢心せず、己を磨くことに邁進する孤高の姿に、大衆は惹かれていく。しかし、演目が最後まで進んでも、少女の陰りは決して晴れない。物語に合わせて解釈するならば、少女はそれら盲目的な大衆にどれほど求められようとも、蔑み、見下し、突き放し続けるのだ――と、熱弁を振るったのは父だったか、祖父だったか。いい大人の、まして肉親の趣味にしては痛々しいと感じたものだ。

 ともあれ、ジャックは改めて少女の顔に見入る。今まで直視を避けてきた忌々しい作り物の顔だが、人形の少女はまっすぐにジャックを見据えている。表情に変わりはない。長い睫毛まつげに縁取られ、呆れるように伏せられた、睨みつけるような眼。

 まるで、未熟なジャックの心許こころもとなさを責めているかのような、そんな眼だと、そう思った。

 何を今更になって恐れることがあるだろう。ここは夢にまで見た新天地、自ら望んで降り立った大舞台ではないか。まだ何も叶えていない、何ひとつ成し遂げていない、それどころか始まってすらもいないのに、臆病風に吹かれて立ち竦んでいる暇があるのか。己に出来ることを愚直にでも為し続ける以外に、選択肢があるというのか。

 お前のやるべきことは何だ。お前に出来ることは何だ。

 ――ひたすらに、舞い、舞わせ、魅せることではないのか。


「……うるさい」


 幻聴が聞こえた。否、幾度となく反芻した自問自答が、誰でもない声となって頭の中を響きわたっただけだ。これまでと違うのは、投げかけてばかりだった問いに、答えの一つが啓示されたということだった。それはジャックの声ではなく、聞き覚えのない、女のような声だった。

 震えが治まり、視点は定まり、挑戦的な眼を向ける少女に対して、ジャックは腹を立ててすらいた。たかが人形風情が偉そうに、生意気なことを人間様に対して言ってくる。人の手がなければ身動きすら出来ないくせに。やはりいけ好かない。こいつが嫌いだ。

 そんな再認識と同時に、心のどこかに安堵を感じている自分が一番不可解だった。

 糸の解けたことを確認し、ジャックは人形を持ち上げ、仕掛けが満載された舞台の上に人形を降ろした。


「そんな目で見るなよ」


 解っている。出来ることはただ一つ。舞台も演目も一つきり。この両手に刻みつけられた技巧のみが『スチームスポットのジャック』の武器。たったそれだけをたずさえて、これから先をやっていくと決めたばかりだ。まったくまことに不本意ながら、そのためにはこの人形が無くてはならない。他のパペットでも出来ないことはないだろうが、それで客を惹くことが、金を稼ぐことが出来るかと言えば、そうは考えられないのも事実。

 ならば、そう、選択肢はない。震えようと、怯えようとも、為すべきは己を奮い立たせ、それが虚勢であろうとも、


「やるしかないんだ」


 自分自身に言い聞かせ、只々、前を向くしかないのだと。



    9.



 大抵の職業がそうであるように、人形使いの収支の大半は商売道具の修復や新調などに還元され、肝心の人形使いの懐に入る金額は微々たるものだ。特にジャックの一族はその人形に必要以上の投資をすることを是としているため、人間が自由に使えるなど小遣い程度で充分だというのを地で行く性格である。よってジャックの手取りは大体がその日の食事をまかなうだけで底を突くほどであり、間借りした物置に寝泊りすることで住居の費用を浮かせなければ生きていくことすら困難だった。そんな訳だから、衣食住で言うところの衣の部分はまるっきり後回しだった。

 つまりはラインデルフにを付けられたのである。そのみすぼらしい一張羅をどうにかしろ、と。

 あまり身長が伸びないジャックにしてみれば、シャツとジャケットとズボンと靴の一揃い、後は寝巻きがせいぜい二着分もあれば事足りるという認識で過ごした時間がとても長かった。自分を着飾るぐらいならその余力は人形に注げという家庭環境に毒されていたのだと、役人に言われて初めて気付いたぐらいだ。

 運営の要望は「せめて人前に出て恥ずかしくないぐらいにはかし込め」ということだったが、しかし街のそこかしこで売っている服はどれも高価で、給料を前借りするのも何となく癪だった。ということで、劇場で従業する時は予備の貸衣装を借りることとなった。いずれ蓄えが膨らんだら買い取れということらしい。

 パリッとした新品のシャツに臙脂色のベストを重ね、気取った大きな蝶ネクタイを首元に結んだジャックは、そうして見れば年相応の子供――金持ちの親に連れてこられたお坊ちゃんそのものだった。髪まで整髪料ポマードを塗りたくられ、いかにもカチッと決められている。自分を着せ替え人形のように嬉々として弄くり倒した衣装係の仕業である。

 姿見に映る自分の格好にうんざりしながら、ジャックは控え室を後にし、自分の持ち場の様子をうかがいに行った。

 関係者だけが行き交う通路を何度か右折左折していくと、特設テントの裏手に出る。そこまで至れば、幕の向こう側を覗き込むまでもなく、過剰なほどのざわめきが聴こえてきた。それでも、いずれ踏み込むことになるのだからと、幕の隙間をほんの少しだけめくった。

 ラインデルフの事前情報通り、既に座席は満員状態。わざわざパーティドレスやタキシードなどの正装に身を包んだ老若男女が押し詰めて座っている。メインの大ホールに比べれば微々たるものだが、ぎりぎりまで詰められた座席に所狭しと人が居並んでいる風景が――それら全てが、ジャックの人形劇を観覧することが目的なのだということが、何度となく少年の緊張感を煽る。

 胃は絞られ、足は震え、呼吸は浅く早くなる。だが、とジャックは思う。それは先までに比べれば、ずいぶん軽くなっていると。

 そう、自分は決意したばかりだ。この道を選んだからには、やるしかないのだと。誰に擦り付けることもできず、逃げ出すという選択肢すら棄てた。声ならぬ声、幻覚にさえ励まされるという情けない体たらくだが、だからこそ己を奮い立たせる術をようやく知った気分だ。

 刻一刻と迫る開演時間、それを知らせる(これも借り物の)懐中時計の秒針にいちいち惑わされていてはキリがない。もはや自己暗示のように、「やるしかない」という単文をひたすらに繰り返す。

 大丈夫だ。何も問題はない。何故なら、足は震えるものの、腕も指先も動じていないのだから。


 ――時間になった。


 係員が恭しく上げてくれる幕の間をくぐって、ジャックは大勢の観客に姿を晒した。小さな人形使いの登場に送られた歓迎の拍手は、もう少年の耳には入ってこない。

 満席の客を前にしていようと、ざわざわと耳障りな喧噪があろうと、いつもの荷車の幌に入ってしまえば気にならなくなる。十字型の繰板を手に取り、糸に繋がれた人形を吃立させ、態勢を整える。

 ……大丈夫だ。何も変わらない。田舎だろうと都会だろうと、場所が違うだけで観客は観客だ。見物料はこちらの方が高い。他は何も変わらない。いつも通りでいい。


「スッ、フ――ッ……、フッ」


 呼吸を整え、足元に設置されたオルゴールのスイッチをパチンと入れる。荷車に組み込まれたゼンマイ仕掛けと数百に及ぶ歯車が稼動し、オルゴールの控えめなメロディーが奏でられる。それと同時に客席のざわめきも嘘のように鎮まった。


 ピン、ポン、ポロロン―———


 スクラップフィールドにおいて初めての 《ただ寵愛される舞踏の姫》が、幕を開ける。



    10.



〝朝、少女は小鳥のさえずりを聴いて目を覚ます。

 腰まで届く長い髪は金糸で編まれた絹のように流れ、長い睫毛に縁取られた瞼が気だるげに持ち上げられていく。その様はまるで蕾の花弁がゆっくりと開いていくようで、欠伸をする仕草すらも優美であった。

 今日はどんな服を着よう。

 クローゼットに仕舞われたドレスはどれもこれもがみつぎ物。明るい色、暗い色、裾が広くてフリルがあしらわれたもの、シンプルでも流麗な体格を活かすもの。数十もの中から今日の気分にピッタリの一着を探り当てる。

 やがて藍色のドレスと、それに合うリボンや靴で自らを仕立て、少女は姿見の前でくるくると回ってみせた。素体もともとが既に洗練されている華奢で可憐な身体を美しいドレスで彩った少女は、文句のつけようがないほどに完成していた。〟


 せた姿勢の人形に力を加え、ゆっくりと身を起こさせる。

 良質な羊毛で編まれた金髪が流れるように落ち、繰り糸に絡まっている数本は片手だけを動かして器用に解く。あくまで自然で人間臭い寝起きの挙動を、繰板の微妙な操作だけで再現する。

 絶えずオルゴールが鳴り続けるのに併せて、舞台に描かれた背景の絵がゆっくりと回転し、少女より一回り大きいサイズのクローゼットに見立てた小道具が現れる。からくり仕掛けによって自動的に扉が開き、その正面に人形を歩かせる。足に繋がっている繰り糸は繰板の手首側。他の糸に絡まないよう長さを調整した部分を傾けて、脚部を柔軟に上げ、下ろす。

 宙ぶらりんに吊されているに過ぎない人形を、あたかも自力で歩いているかのように。

 予備の衣装をいくつか掛けてあるクローゼットの手前で、顎に指先を添えてきょろきょろと頭を振るという、思わせぶりに悩んでいるような仕草をさせて、その後、人形を一旦舞台の裏に引っ込める。

 客席側からは人形が見えなくなってから、ジャックは繰板から手を離し、人形の早着替えに移った。着脱が容易な仕組みでありながら、上品なデザインを損なわない手製の衣装を手早く着せて、即座に繰板を取り直し、人形を舞台に戻す。数秒にも満たない空白の時間で衣装を変えた『プリ・マ・ドンナ』の登場に、客席からはにわかな歓声が沸いた。

 進行し続けるオルゴールが背景を回し、クローゼットの次に小さな姿見を出した。心なしか浮き足立っているような感情を見せる足取りに気を配りつつ、人形を鏡の前に移動させ、ここでジャックは繰板を握る両手を少し乱暴に交差させた。

 整然と並んだ繰り糸の列は勢いのままに、一点へとり合うように集中する。その状態からジャックが外側へ腕を開くように離すと、絡まった糸が解けていく力が人形に伝わり、その場で一回転。

 人形がスカートをふわりとひるがえして、陽気に踊る動作が実現する。

 力加減の機微や腕を開く具合など、様々な技巧が重なり合って初めて遂げられる動作だが、それを知ってか知らずか客席からまた歓声が上がった。


〝我ながら上出来、と自分を評し、少女はご機嫌な様子で家を飛び出した。

 出鱈目な鼻歌を上手に歌いながら、小径こみちの上を思うがままにくるくると舞い回る。少女が住んでいるのは田舎の村だった。早朝から畑を耕す老人達、泥んこになって元気よく遊ぶ子供達、羊を引いて散歩する跡継ぎの青年など、その全てに面識のある少女はハミング混じりに挨拶を交わしていく。

 道行く人々も、獣ですら、そんな少女の可憐優美な姿に目を奪われていた。地主の家に生まれていながら嫌味なところのない、よく歌いよく笑う天真爛漫な彼女は万人に好かれていた。身分の差を超えて求婚する輩が後を絶たない。今日もほら、花束を抱えた大の男が小さな少女を追いかけていく。

 しかし少女はそんなものは相手にもしない。

 つぶらな瞳が見据えているのはこの地平の先、山を越えた向こうにあると言う、まだ見ぬ世界への想像図だけなのだから。〟


 舞台の背景に描かれているのは、それだけで一個の芸術品と賞されても良いほどの壮大な風景絵画だ。かつて曾祖父が集めた有志の一人が遺したもので、全長にして十フィートを超える高価な紙に、《ただ寵愛される舞踏の姫》のシナリオに沿った風景を延々と描き連ねたスクロールである。

 それをオルゴールの動力に繋がった芯に巻き、伴奏が進むごとに少しずつ遷移していく。朝日が差し込む少女の部屋から緑溢れる牧歌的な農園、小径をすれ違っていく村民の姿なども緻密に描き込まれ、しかも風景が転換する切れ間に不自然さが無いよう配慮されている。先人の美的センスと技術の集大成にして、それほどの物でありながら舞台を整える演出の一部でしかない作品だ。それに気付く観客はどれほどいるだろうか。

 オルゴールも寝起きの気だるげなテンポから変わって、うきうきと気分を弾ませるような譜面に転調していく。ジャックの人形操作もそれに合わせて、足取りをスキップさせる挙動に変えていく。指先に痙攣じみた瞬発的な捻りを効かせ、人形の腿から先を跳ねさせる。

 表情の変わらない仏頂面の人形が足取り軽やかにその場を跳ねている様子はジャックとしては奇怪にしか思えないのだが、光の当たり方や見る側の角度によっては機嫌が良さそうにも見えるという。客席からは、悪くない反応が返ってきた。


〝少女は思う。あの遠い稜線の彼方、少し前に行商から聞いた与太話。発展した都会とはどんなところなのだろうか。

 田舎の村から出たことのない少女にとって、それは未知の世界だった。

 本を読んでも、人の話を聞いても、少女には明確なイメージが浮かばない。靄のように掴み所がない、その姿を思い描けないことが不愉快だった。とはいえ、見たことのないものは想像もできない。行ってみたいという欲求はいつしか一つの答えを出す。

 至って単純、「そこに行けば良い」だけのこと。

 家族は猛反対。村中の知り合いも必死に食い止めようとした。しかし少女はそんなものに貸す耳など持っていない。

 身支度を整え、朝一番の荷馬車に乗せてもらって、ただの興味だけを胸に抱えて、未知の世界へ飛び込んでいく。〟


 瀟洒しょうしゃで落ち着いた見た目とは裏腹に、この人形に与えられた物語上での性格は、活発で積極的だ。思い込んだら一直線、自身の欲望に対して実に正直で、何の計画性も打算もなく、何はさておき行動する。

 羨ましいことだ、とジャックは最近になって思うようになった。自分は機会が与えられなければ身動き一つ出来なかった。スクラップフィールドに居を移すにしても、その後の生活が保障されなければきっと行動はしなかっただろう。

 対してこの物語の中での少女は、そんなものは気にせず実行してしまう。物語であるがゆえに現実的ではないにしても、その活発さは眩しいほどで、かえってそれが不愉快だった。

 所詮は作り物、過去の人間に都合良く組み立てられた筋書きにすら、ジャックは己を揶揄されているように感じる。まるで予言だ。いずれお前もそうなると、見る者全てに詰問という刃を突きつけるような無言の問いかけだ。

 語り部は無く、その筋書きは人形の挙動によって観客に伝えなければならない。情動は大袈裟なくらいが丁度良い。

 だからこそジャックは糸を手繰る力に大袈裟な動きを加える。人の紛い物でしかない人形の、まやかしの如く精巧に作られた肢体を、技巧を持って稼働させ続ける。かつて師に抱けと強制された矜持とやらに、ジャックは嫌悪、軽蔑、敵視を渾身に込めた。


〝最初に訪れたのは遊廓の街だった。卑しい情熱を他人にぶつけることでしか満足出来ない鬱憤の溜り場、他人を八つ当たりの的としてしか見ていない土地。身を売らなければ生きることすら叶わず、そんな街で尚、少女はそちらには堕ちなかった。

 初めは深い裏路地のパブで踊り、そこから日増しに名声を上げ、段々と大きな会場で踊ることになっていった。男に限らず、時に同性の女まで、天賦の美麗に釘付けになった。なれど少女は、簡単に触れようとする指の悉くを跳ね除けた。初めは評判が悪かったが、次第に誰もが、かの美姫を易々と穢してはならないと思うようになっていった。

 孤高で、潔白で、純真であるからこそ、少女の舞いは見たことのないほどに美しい。

 誰もがこれを愛した。溜まった欲は別に吐き出せば良い。この踊り子は、ただ寵愛されるためだけに在る――。

 郷に入らば、という暗黙はそれこそ下らないと、少女の本能がそう告げる。決して身売りを貶している訳ではない。ただ、少女はそこまでしなくてもやっていけるということを証明した。自ら望んで結果を出したのではなく、彼女が生き様を貫いたからこそ結果としてそうなった。不躾に触れようとする下種には目もくれず、ただ蔑むのみ。少女は自身が思うままに踊り続けた。そこには計画も打算も無く、少女自身が楽しいからと、そう思うからこそ、色街に高嶺の花が咲いたのだ。〟


 この人形劇がふるい有志達によって創られたのは、大戦が終息する頃だったと聞いている。あらゆる土地と財産が焼け、貧困が激化した時代、年端も行かない子供が日銭を得るために〝出稼ぎ〟に駆り出されることが珍しくもなくなった時代だった。人を人とも思わない汚濁の掃き溜め、弱者を一方的に嬲る行為を愛玩などと嘯く人々。確かにそんな時代があったと、一族の誰かしらに何度も聞かされた。それもこれも《ただ寵愛される舞踏の姫》が創られた経緯から知ることで物語を深く理解するための、教育の一環だったからだ。

 ――そうすることでしか生きられない人もいる。それは現在にまで時が進んで尚も残っている……否、生まれ続けている。だが、そうせずとも生きる道はあると、誰かが示さなければならない。我々は表現者であり、その傲慢を背負う者。例え因縁をつけられても、何時いつ何処どこかの誰かを救うと信じて、常に輝き続けなければならない。そのための人形と、物語だ。

 そんなことを、祖父が言っていた。

 確かに傲慢だ。浅はかな偽善に囚われて、造り上げた結果がこんな物語。全体を理解しているジャックは、これほど酷い皮肉と中傷の物語も無いだろうと思っている。生き方を知らず、まるで井戸の底のような暗い場所で生きるしかない者に、どこからか突然現われた少女に稼ぎの全てを持っていかれるというのだ。どこの誰とも知らぬ餓鬼に、そんなものかと、嘲笑われるかのような屈辱を与えられる。底まで堕ちなければ生き縋ることも出来なかったのに、潔白なまま生きるという妄想を見事叶えた勝ち組が生まれてしまう。色街での常識を全て塗り替えるような、生業を否定されるかのような行いに、誰が救いなど感じるだろう。どれほど薄汚くとも、身売りであろうとなかろうと、全ての職業人には一定の矜持というものがあるだろうに。

 だからジャックは嫌いなのだ。この傲慢で不躾な物語も、そのために作り出された人形も、それを表現するために育てられた自分も。


〝やがて少女の名声は街の一角には留まらなくなり、復興を遂げる国の都市へ伝わり、その隣の国へ、そのまた隣の国へ、ひいては世界中に響き渡るようになる。

 少女は呼ばれればどんな土地にも飛んだ。金持ちや権力者の跋扈ばっこする娯楽街にも、貧者が未だ苦しむ荒れた村にも、分け隔てなく訪れては、その時の気分次第で舞い踊り、それを見せた。

 年を重ね、成長していくに連れて、少女は自分の至上命題というものを思うようになる。少女の舞踏を見た者は寸分違わず皆一様に、誰もが爽やかな笑顔になった。人が喜ぶ顔を見るのは気分が良い。悪くないと、そう思う。

 ただ一方で、世界中を巡ることで得られる新鮮で刺激的な知識にも、少女は魅力を感じていた。一つ所に留まるよりも、色々な土地で、様々なものを見知って、それが自分にも良い影響を与えてくれるのが楽しくなってきたのだ。

 また少女は考えた。己の天秤はどちらに傾くか、何が琴線に触れるか、自分が優先したいことは何なのか。その答えは、またも簡単に導かれる。

 「自分を高め続ければ、自分を見る人の笑顔もまた増えていくに違いない」

 だからこそ少女は、漫遊と放浪を選び、己の理想像を描いては求めることを決めた。美しく、麗しく、何よりも自分がそうと確信できる自分になることを。〟


 その結論は、要は『スチームスポットのジャック』の理想でもあり、一族の悲願でもあった。仕掛け人は祖父だろう。彼もまた寝物語にこの話を聞かされ続け、最終的にはそれに洗脳された。人形に与えられた物語を信じ込み、その生き方に憧れ、自分の至上命題だと勘違いした。初代が今際に残した言葉を叶えるためだけに半生以上の時間を賭した。その熱意が家族ごと縛り付けるなどとは露ほども知らず、取り憑かれている自覚など欠片ほども無く、――その結果、当代のジャックは、一族の伝統にこんなにも懐疑的になった。

 一族の人間は誰もがこの物語に感銘を受け、この物語を絶やすことなく継承することを、そのために必要な教育を何ら疑わずに続けていく。世間はそれを美談と賞賛するだろう。事実、まんまと教育の賜物になったジャックは巨大な娯楽都市にスカウトされ、田舎町の頃とは比べ物にならないほどの報酬を約束されている。劇場の運営委員が買ったのはドールそのものの美しさ、それを引き立てるジャックの腕前だ。だがジャックは不思議でならない。こんなものに格別の金を支払う人間の心理が理解出来ない。

 ジャックは人形が嫌いだ。商売道具である人形『プリ・マ・ドンナ』すらも嫌悪して止まず、生業として仕方なく演じている 《ただ寵愛される舞踏の姫》も体力を消耗するばかりで、それらを後生大事に残していこうとする一族を唾棄し、そういった後ろ向きな感情を渾身に込めて表現しているにも関わらず、ジャックと契約を結んだ支配人の目は節穴と言う他にない。今まさに劇中の所々で歓声を上げている観客どもも同じだ。こんなもののどこがいいのか。汗水垂らして働いた末の金を、貯蓄もままならない財産を、その一端とはいえこんなものに支払う気になる性根が解らない。

 娯楽とはそういうものだと言われればそれで終わる。だが、ジャック本人が価値の無いものと断言すら出来るもの――滑稽で、気色が悪く、悪趣味の粋を集めた、ジャックがそう観えるよう表現しているものに喝采を惜しまない観衆が、理解出来ない。

 ――こんなもののどこがいいのか。

 スチームスポットでも感じ続けてきた疑問は、大都市に居を移しても解消されないまま、ジャックは腕を振るうばかりだった。


〝東へ走り、西を巡り、南に移って、北で踊った。

 そうするほどに少女は財を膨らませ、そのほとんどを旅に使った。世界の地図を埋めるように諸国を廻って、季節と共に渡り続けて、幾年月が過ぎた。幼いばかりだった少女は少しずつ大人になり、しかし見た目の美しさはほんの少しも褪せることなく、ますます磨きを掛けて綺麗になっていった。

 やがて地図の端まで行き尽くしたところで、少女はと気付いた。理想の己の完成へ至るまでの道程が余りに遠いこと。求めれば求めるほど、その道は長く果てしないものになっていくということ。そして、その過程の半ばでしかない少女を評価する有象無象の賞賛が、額面通りでしかないこと。

 美辞麗句の限りを尽くして少女を称えようとする気概は認めるが、言っていることの中身はどれもさほど変わらず、それに対して少女の心は全く動いていなかった。昔を思い出すまでもなく、元より他人からの評価など聞いているようで聞いていない。耳触りが良いだけの言葉に興味はなく、右から左へ微風そよかぜのように通り抜けるだけ。少女を本当に褒めて満たしてくれるのは、いつだって少女自身だけだった。

 そうと気付いた少女は、何かが足りないと、今度はそれを探す旅に出た。美しさとは老いるもので、時間は苛立たしいほどに不足している。だからこそ少女は他人からの賞賛を価値のないものと断じた。誰かの笑顔が全て画一化して見えるようになってしまったからこそ捨てた。

 それは、邪魔だ。

 求めるものはより先鋭化され、究極へと至る美しさ、誰よりも自分がそうと認めることの出来る域をこそ終着点とし、雲を掴むように曖昧な理想に追い縋ることを、少女は決めた。〟


 物語はいよいよ終盤に差し掛かり、人形操作はこれまで以上に複雑になっていく。

 目まぐるしく回転する背景の絵は少女の放浪記録と、それに伴う年齢の経過を表す。各地を訪れるごとに少女は確実に成長していると表現するために、これまでの挙動をより優美に、かつ洗練し、研ぎ澄まされた技巧の粋を惜しむ暇もなく投入していかなければならない。

 激しく、冷徹に、血を吐くように、汚水の底から必死に浮上しようとするかのように、何かを目指し求めてただ動き続ける。

 演目もここまで進むと、脱力の加減や観客の反応などを気にしている余裕も無くなる。糸が絡まないようにということだけを最低限に配慮しつつ、少年は己の持てる何もかもを指先に集中する。無茶な挙動は育ち切っていない肉体に負荷を掛け、両腕の筋が弾け飛びそうになるギリギリの綱渡りを強いてくる。

 しかしジャックの頭の中はもはや演目の完遂ばかりが支配していた。責め立てるようにテンポアップするオルゴールの音色が余計にジャックの手を急かす。身体中の血管が千切れるほどの集中、噴き出す脂汗を拭う暇もなく、繰り糸を通して全てが人形に注がれていく感覚がある。

 ――ああ、嫌だ、厭だ。何が悲しくてこんなに必死になっているのだろう。僕は人形が嫌いで、こんなことはしたくもないはずなのに、何故急かされることに馬鹿正直に従っているのだろう。

 一族の教育によって逃げることも許されないほどに植え付けられた、本能じみたセンスに導かれる技巧の冴えは、本人の意思とは真逆に迷いなくドールの少女を舞わせていく。身体が悲鳴を挙げていても、それが言語化されていなければ誰に伝わる訳もなく、有象無象の見物客は激化する舞踏に呑気な歓声をあげるばかりだ。ジャックにはそれが、目眩のするほどに恐ろしいことのように思えた。

 それと同時に、その呑気さが、侮蔑に値するほど下らないと、苛烈に燃える炎の如くジャックを追い立てる。


〝他者からの評価を切り捨てた少女の、実に単純な美への追求は、それゆえに以前にも増して洗練されていった。飽くなき探求心は邪念に囚われることなく研ぎ澄まされ、授けられた天賦におごることのない探求心は、より多くの衆目を惹きつけた。

 少女が求めるのは、自分が満足する限りの域に達する自己実現。自分でも未だに判然としていない理想像を、掴めずともそこへ至るということ。形の無い花を完成させようとする道すがらにこそ充実を感じ、更なる高嶺へ駆け上がることを目指した。

 しかし、次第にその伸び白も埋まりつつある。頂上はなおも遠く見えているというのに、足が鈍く動かない。心は変わらず飽くなき渇望を燃やし、現実の舞踏はより美麗に先鋭化しているというのに、以前ほどの進展を感じられなくなってきているのだ。

 一方で、その過程、現在の姿を観ている有象無象の大衆は数ばかりを増し、変わり映えのない美辞麗句もまた数だけは多くなっていった。もはや雑音にしか聞こえないそれを、飽きもせず繰り返してばかりの観客達に、少女は軽蔑を覚えるようになった。道半ばでしかない自分の状態を、性急にも至高とすら称えるその感性が疑わしい。まだまだこんなものではないと身体いっぱいに訴えているというのに、いやいやもう充分だと、誰もが言っていた。そう決めつけられるのが気に食わなかった。憐憫すら感じるようになっていった。

 頭打ちの自分に苛立ち、しかし立ち止まることだけは受け入れられず、少女は差し伸べられる慈善の手を払い退けてでも、舞うことを諦めなかった。

 何かが足りない。それが何なのかも解らない。それでも踊ることを辞めれば、それこそ自分というものが終わってしまう気がして、ただただ舞い続けることだけを選んだ。

 かつて少女だった舞姫は、矯声を挙げる観衆を睨み、炯々と輝く飢餓は憂いの瞼に隠して、愚直なまでに己を焦がす。

 たった一つ手に入らない『 』を、まだ知らないまま――――………… 〟



    11.



 リン、

 と、オルゴールの最後の一音が尾を引いて響き、テント内の照明がゆっくりと暗くなり、ジャックはようやく手を止められた。

 小さな舞台上のドールは湖面に白鳥が降りるようにひざまずき、波紋のようにスカートが広がって、そのまま静止した。発条仕掛けが最後の演出として、舞台のカーテンを左右から閉じ、ドールの姿を隠した。

 ――終幕。

 その合図として再び照明の光量が上がったのと同時に、客席から惜しみない拍手喝采が湧き上がった。

 それはジャックが人形劇を演じるようになってから、劇後に浴びる歓声としては初めての、野次も皮肉もない、純粋な感動による最大級の賞賛だった。

 幌の内側に籠もっている今では客席の様子は見えないが、聞いている限りでは、少なくとも満足はしてくれているらしい。

 万雷と言って良い拍手と声援を浴びて、ジャックは思う。

 ああ――何故だろう。

 何故、こんなにも、渇いているのだろう。

 達成感は無かった。かつてない規模の、この街での走り出しとしては充分な手応えがあるにも拘らず、気持ちはどこか冷めていた。期待外れのような、肩透かしのような……ジャックがどこかで欲していた何かは、そこには無かった。

 ただ漠然と、ここにいる連中にも何一つ伝わらなかったのだと、そんな感想が浮かぶだけだった。

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