10.早速お出ましか。
早速お出ましか。青い点はアインスのものだから、この赤い三つの点が侵入者を表しているのだろう。侵入者の様子は『監視』を使えば、さっきステータスを確認したプレートで映像で見られるみたいだ。『ステータス鑑定』でもしてみようかな。
ケビン Lv.18
種族:中位人
職業:剣士
状態:通常
HP:848/850
MP:20/20
物攻:D
物防:D
魔攻:F
魔防:F
スキル:≪剣術II≫ ≪盾術I≫ ≪体術I≫
称号:なし
加護:〈女神アリアの加護〉
シーザー Lv.15
種族:中位人
職業:狩人
状態:通常
HP:650/650
MP:80/80
物攻:D
物防:E
魔攻:E
魔防:E
スキル:≪弓術II≫ ≪忍び足II≫ ≪索敵I≫ ≪暗視I≫
称号:なし
加護:〈女神アリアの加護〉
リリア Lv.16
種族:中位人
職業:魔法使い
状態:通常
HP:150/150
MP:740/750
物攻:F
物防:F
魔攻:C
魔防:D
スキル:≪光灯I≫ ≪送風I≫ ≪炎槍II≫
称号:なし
加護:〈女神アリアの加護〉〈火神の加護〉
三人パーティか。結構バランスは良さそうだ。
ここまで泳いで来たのか、三人ともびしょ濡れだったが、少女の魔法ですぐに乾かし探索を開始する。
シーザーが≪索敵≫で罠を見つけ、リリアが遠方から≪炎槍≫で解除するといった感じで順調に進んでいく。ケビンはあまり活躍していないが、モンスターがいるところでは切り込み隊長を務めるのだろう。
新人なのか多少の緊張はしている様子だったものの、危なげなくダンジョンを攻略していく。このままではアインスの出番となってしまいそうだ。ステータス的に負けはしないだろうが、彼も戦闘は初めてのはず。出来れば途中で帰ってもらいたいものだ。
***
海の中にダンジョンを見つけた。
そんな馬鹿げたことを言ったのは、私たちのパーティのリーダーであるケビンだった。
私たちは名前も無いような田舎の村から出てきた新人冒険者だ。日々、依頼という名の雑用をこなし、日銭を稼ぐ毎日に疲れていた私たちは少しの休養を取ることにした…はずだったのだけど。
「僕、まだ寝たいんだけど。帰っていい?」
不機嫌そうに目を擦るシーザーにケビンはむっとした表情になる。
「なんだよ、シーザー、ダンジョンだぞ!?しかも、多分まだ誰も見つけてない新しいやつだ。一攫千金も夢じゃ無い!」
「新しいダンジョンだと、そこまで良いものも無いんじゃ…?」
そんなシーザーの言葉もテンションの上がりきったケビンには届かない。こうなってしまった彼は何がなんでも私たちをその海の中のダンジョンとやらに連れていくのだろう。
「まあまあ。ケビンがそこまで言うなら、見にいくだけ行ってみる?」
「流石、リリア!話が早いぜ!」
まあ、十中八九白昼夢だろうけどね、とはめんどくさくなりそうなので言わないでおく。
「よーし、出発ー!」
「…はあ、しょうがないなあ。」
「ちょっと、走らないでよ!」
こうして、なんとも締まらない感じで私たちはダンジョン探索に向かったのだった。
私はまだ知らなかった。どうせ何も無いだろう、そんな予想は盛大に裏切られることを。
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