9.十分の三がRか…中々悪くない結果だ。
十分の三がRか…中々悪くない結果だ。
アイテムにはそれぞれレアリティがあり、N、R、SR、SSR、URの順となっている。同じレアリティのアイテムでもピンキリだが、おおよそはレアリティが高い方が利便性や希少価値などが高いと思って良い。
俺はアイテムボックスから先程出た3つのRアイテムを取り出すと、床に並べた。
深海木の剣:深海で育つ木を素材に作られた剣。海水に浸けても腐ることは無く、海中では一層耐久性が増す。切れ味はそこそこ。
深海木の杖:深海で育つ木を素材に作られた杖。海水に浸けても腐ることは無く、海中では一層魔法の威力が増す。特に水属性の魔法を扱うのに適している。
身代わりの指輪:心臓石が嵌め込まれた指輪。持ち主が致命傷となるような攻撃を受けた時、身代わりとなる。一度発動すると壊れてしまう。
「どれも中々の代物ですね。特にこの指輪は素晴らしい。」
「ああ。それに、剣も杖も海の中で使うにはぴったりだ。」
ガチャの内容もある程度はダンジョンに寄ってくるようだ。ありがたいシステムである。
俺はガチャの結果に満足気に頷くと、杖と指輪をアインスに渡した。
「これはお前が使ってくれ。使い方は分かるか?」
「それは勿論…ですが、よろしいのですか?」
「当然だ。もし、お前を突破出来るような敵が来た時点で俺がどんなに武装していようが詰みだからな。一応、剣は持ってはおくが。」
「…分かりました。この命に変えましても、主には指一本触れさせません。」
「なるべく命には変えないでくれよ。」
冗談っぽく笑うと、アインスも頬を緩ませる。うん、力が抜けてきて良い感じだ。
"…最後にダンジョンを『編集』をしてみましょう"
空気を読んでくれたのか今まで静観していたアシストさんの声が響く。いよいよ最後だ。
というか、この声ってアインスには聴こえて無いんだな。
"私はリョウ様の保有する機能ですので他者が使用することは出来ませんが、スキル≪念話≫を応用すれば任意の相手に私の声を届けることは可能です"
へえ。便利かどうかは分からないが、そういった裏技的なものは面白いな。他にもあるのだろうか。まあ、今はひとまずこのままで良いだろう。
"かしこまりました"
"では、編集台の前へお進みください"
部屋の左奥にガラスのショーケースのようなものが現れる。よく見ると、中にはミニチュアのダンジョンの模型のようなものがあった。その下にはコアに似た立方体の物体がはめ込まれており、キューブと呼ぶらしい。
"キューブに触れ、「編集」と声に出してください"
キューブは予想と違い、少し弾力があって暖かかった。
「『編集』」
"キューブにリョウ様の魔力を登録しました"
"以降、リョウ様以外の方は『編集』を使用出来なくなりますのでお気をつけください"
"『編集』にDPはかかりませんが、削った土などをDPに変換することは出来ません"
"また、侵入者が居る階層を『編集』することは出来ませんのでお気をつけください"
キューブが俺の手の形に合うように窪みが作られる。
試しにキューブに手を置き念じると、一本道のダンジョンに横道が現れた。面白くなって、分かれ道を一つ増やし、宝箱も二つ追加する。残DPを確認してみても1Pも減っていなかった。
「主、これは…?」
「これで同じようにダンジョンの中をいじれるらしい。アインス、確かめてきてくれるか?」
快く了承してくれたアインスをダンジョンに『転移』するとショーケースの中に青い光が現れた。どうやら、アインスを表しているらしい。
ダンジョンを端から端まで確認移動するアインスを待ちながら5Pで落とし穴や落石などの罠を購入。
『アイテムボックス』を開いて浅海木の剣と盾を取り出し、それぞれ宝箱に入れ、残りの一つには外れ枠としてガラスのコップを入れた。
そろそろかと思い、アインスを『転移』で呼び戻す。
「どうだった?」
「主のおっしゃった通り、ダンジョン内の構造が変化していました。それから、外から声が聞こえました。もうすぐ侵入者がやって来るかと。」
「早っ!この世界の冒険者…なのかは知らないが優秀だな。」
俺は慌ててダンジョン内に罠を設置し、魔法陣の手前に簡易的なボス部屋を作る。
そこへアインスを『転移』させようとすると、止められた。どうやら、スキル≪転移≫を取得したらしい。何でもさっき俺がしてみせただけでやり方が分かったとか…。やっぱうちの子、チートだわ。
"三名の侵入者が現れました"
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