『殺めるやつら』について③

 殺し屋達の設定の続きです。引き続き家族設定は一也視点です。


・武蔵野信彦

 叔父担当で工場勤務の爆弾魔。名前は『ノーベル』のもじり。

 つかみどころのない人物を表現するために、かなり特徴的なしゃべり方にして個性の強いキャラ付けにしました。惜しむらくは、爆弾で殺す設定のせいで直接的な殺害シーンがなかったということ。また殺し屋達からも何を考えているのか分からないと言われる部分をもう少し明確にすべきだったかなと思います。

 個人的お気に入りキャラの一人だったり。


・武蔵野絵梨

 叔母担当の女医。名前の由来は世界初の女医『エリザベス・ブラックウェル』から。ブラックウェルの方を活かしたかったのですが、女性の名前で黒が入るものを思いつきませんでした。もし使えてたらブラック・ジャックとも掛けられたかもしれません。

 信彦もそうでしたが、毒殺という都合上、直接の犯行シーンが描きにくかったです。ただ医者設定は展開を作りやすかったのでありがたかったですね。


・下田寛美

 姉担当の女子高生。名前の由来は『佐久川寛賀』から。空手の大元となった沖縄武術の始祖らしいです。

 空手をする女子高生といえば名探偵コナンの毛利蘭を思い出す方もいるでしょう。現に自分もこのキャラを造形した時に真っ先に思いついたのは蘭でした。ただまるっきりかぶらせるのは大問題。ロープによる絞殺を殺害方法にしたのはそのためです。また友人の一人である和恵は、蘭の親友である園子をモデルにしました。名前に園が入っているのもそのため。

 元は友人の多い生徒会長タイプのキャラにしようかとも考えましたが、さすがに動かしにくかったのでめました。何気に一番影が薄かったのは彼女かも……?


・下田正憲

 兄担当の男子中学生。名前の由来はムツゴロウさんこと『畑正憲』。ちなみに愛犬エイトの由来は『忠犬ハチ公』の『ハチ』を数字の8と考えて英語読みさせたもの。

 無口で家族のおかげでド有能、そして孤高の存在として描きました。無口設定はどっか行ってたような気がしますけど。後は彼の有能ぶりを紹介でのみしか書けなかった面もよくなかったですね。ただ殺害方法はフィクションだからこそできたものだと思います。必殺仕事人よろしく、あり得ない上に運の絡むものですから。

 信彦に並ぶお気に入りキャラの一人です。


・下田一也

 志恵と平治の実の息子。名前の由来は鬼子母神の末子の『ピンガラ』の『ピン』を1と考えてつけたもの。最初は平治と志恵の名前を取った『恵治』にしてたのですが、美紗の息子の京太と紛らわしくなったことと、あまりにも安直な由来に感じたので変更しました。

 サッカー好きの設定は、オチのためにどうやって美紗と京太をどうおびき寄せるかを考えた上でのものなので、実はギリギリになって思いついたものでした。もう少し早く思いついていれば、伏線として描写できてたのになあ、というのが後悔です。


 次回はラスト。赤座家の設定と総評を書いて締めにしたいと思います。

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