第120話 ※ステータス表示あり



 それから、2週間が経った。


 1週間の周期でモンスターが侵略してくる。先週も拠点に近づく前にモンスター達を討伐することに成功した。


 今週もモンスターの侵略を身構えていると、思いも寄らぬ連絡がアークから入った。


『冬夜殿、キーシャからの連絡ですが、これまで通りダンジョンからモンスターの大群が出発したとの事ですが、こちらの移転陣への進軍は無かったとの事です。』


「うん?無かったのか?」


『その様です。憶測になりますが、この拠点を攻めるのを諦めたや後回しにした……と見るのが妥当かと思います。とりあえずは、警戒を直ぐに解くのは危険かと思いますが、数刻間この状況が続いたらこの厳戒態勢は解いてもよろしいかと……。』


「確かにそうだな。とりあえず、2時間ほど様子を見て、動かないようなら厳戒態勢を解くようにしよう。それでいいか?」


『それで、良いと思います。では、皆に伝達してきます。』


「ああ、よろしく頼む。」


 この拠点への侵略を諦めてくれたのであれば、良かったが……、その分他の拠点への侵略規模が大きくなれば、それはそれでマズイのではないだろうか…。


 近くに居た夏にも話掛ける。


「パラディスの若松さんから、最近何か連絡は入っていないか?」


「…っえ?私?ごめん、聞いて無かった。」


「パラディスの若松さんから何か連絡入ってなかったかを聞きたくて。」


「あーー、パラディスは、結構大変みたいよ。も大筋それが問題だもの……。」


か、それはどうするか考えないといけないな。…で、パラディスはどんな状況なんだ?」


「えっとね、どこまで聞いているかあるけど、聖域スキルに守られている、第一層と第二層以外は多大な被害が出ているって話よ。第四層は既に崩壊して戦場と化しているわ。第三層が辛うじて建造物が残っているけど、どこも半壊らしいわ。というのも、都市の規模が大きい分、敵の侵略数も多かったみたいね。人口も極端に減って半分以下(4000〜5000人)になっているって聞いているわ。」


「……そんなに人口が減っているのか。とりあえず、連絡が来てるって事は、若松さんは生きてるってことだな。」


「まあ、そのようね。あと、食料を融通して欲しいとの要望が毎日の様に入ってくるのよ。今回の一連の騒動で、田んぼは壊滅的な状況だったけど、畑、家畜、魚などは、無事だったから可能な範囲で融通して欲しいとの事よ。こんな状況だけど、多少融通しているけど全然足りないみたい。」


「人数が人数だけに食料はいくらあっても足りなさそうだな。それに、周りの第三層、第四層の住民がいなくなって、単純に労働力が低下した事が大きいような気がするが……。」


「それも有るみたいね。今までのんびりしていた第一層と第二層の住人もやっとモンスターの襲撃状況を見て、慌てだしたみたい。……正直、やっとって感じ。もっと早目に都市全体で協力していれば、こんな状況に陥ってなかったでしょうに。」


「……そうかも知れないが、一旦、聖域都市に住んでその生活水準をこれまでずっと保っていたので、それに慣れて、危機管理能力が相当低下していたんだろうな。人間は、一度、良い生活に慣れてしまうと、それが当たり前と思って中々その水準を下げられないからな…。階級制度の中の頂点にいれば、尚更その傾向は強いだろうな。」


「そうね、私達も気をつけないとね。」


「そうだな、気をつけないとな…。」



 そして、この日の夜に悪い連絡が通信魔導具へ入るのだった。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆



 名前 : 海堂 冬夜(かいどう とうや)

 レベル : 24/50

 スキル : マイスペース【ユニーク】 レベル5

  レベル1 : マイスペースに配下を召喚可能(50/50) ▽

  レベル2 : オプションカード枠+1枚 (マイスペース増加 ☆☆☆☆)

  レベル3 : マイスペースに施設を設置可能(24/25)▽

  レベル4 : オプションカード枠+1枚 (遠征(20) ☆☆☆☆)

  レベル5 : マイスペース内で配下の能力を継承可能 ▽

  レベル6 : オプションカード枠+1枚 (****)


大規模な侵略があったが、レベルが上がりづらくなってきている。

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