第117話
次にアーク達の元を訪れた。
隠密スキル持ちで斥候役のヒンクとキーシャも一緒だ。
「敵の手掛かりは掴めそうか?」
『まだ掴めておりませんが、足跡を辿ればある程度絞れて来ると思います。』とアーク。
「あんな大群で且つ大型のモンスターが居たから足跡がくっきり残っていそうだな!」
『そう言う事です。とりあえず、雨になると足跡も消えてしまうかも知れませんので、早急に偵察を開始します。』とアーク。
『冬夜様、隠密スキルを持つ私達を最大人数まで召喚して欲しいです。2人1組を5チーム作れば、監視も偵察も効率的かと。』とキーシャ。
「分かった、調整して5人づつ召喚する様にするよ。あと、通信魔道具をチーム毎に持って行くようにしてくれ!何か分かれば都度連絡を入れてくれ。
それ以外で何か要望はあるか?」
『そうだ!異世界での偵察も行うんだよな?だったら、少し金をくれ。余裕があるなら、1週間ほど滞在出来る金額を用意してくれると助かる。』とヒンク。
『私は1週間もヒンクと共にいたくない。長くても2〜3日で十分だと思います。』とキーシャ。
『キーシャ、そんな釣れない事言うなよぉ。俺とお前の仲じゃないか!』
『……チャラいのは好きじゃない。』
ヒンクがキーシャの肩に手を回そうとしたら、払い除けられていた。
コイツらは大丈夫か?と思いながら。
「まあ、引き上げるタイミングは、状況を見て其々に任せる。ただ、不測の事態を考慮して、金は大目に持って行け。」
その後、ヒンクとキーシャ達は準備が整うと早速偵察に出発した。
次は、ジェイドを訪れた。
こっちは、ハンク、ジード(風魔法)、キャメル(土魔法)達が一緒におり、罠の設置を検討している様だ。
「罠の検討は、どんな感じだ?」
『古典的な落とし穴やトラップ型を軸にして設置を考えてます。後は、バリスタ地獄ですかね……わざと一直線の道を設置して、バリスタで一網打尽に串刺しするのも有りかと思ってます。』とジェイド。
『私の土魔法で落とし穴などの設置は比較的簡単に出来ると思います。敵の攻めて来る転移陣が判明したら、あとは時間との勝負だと思います。期待していて下さい。』とキャメル。
『後は、何か画期的な罠の提案が無いか情報を収集したり、アイディア出しを行います。』とジェイド。
『ジェイドはああ言いますが、正直あまり画期的な罠のアイディアが無いのが、現状です。まあ、嘆いていても仕方ないので、時間まで粘って色々と検討してみたいと思います。』とジード。
「分かった。まだ、敵の転移陣が掴めていないが、直ぐにでも判明するだろうから、このまま準備を進めてくれ。」
『分かりました、罠の検討はこのまま続けます。あと、お願いが1つあります。今すぐでは無いのですが、ターゲットの転移陣が判明したら、マイスペースの位置を転移陣の方へ向けて伸ばして頂きたいのです。バリスタ地獄を作る為には、冬夜様の力は不可欠です!』とジェイド。
確かにバリスタはマイスペース外には持ち出せないので、そこは調整しよう。
「分かった、その時が来たら連絡してくれ調整してみる!」
こうして、着々と準備が進んで行った。
因みに戦力の強化(配下のレベル上げ)は、現在保留中である。
この前の侵略で、召喚カードの残数が問題となった。そのため、今はなるべく手札を貯めている最中だ。
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