第108話 ※三人称視点
<三人称視点>
冬夜が東防壁へ向かって走り出した後、南防壁ではハンク☆☆、ジェイク5人、ペックス2人、ロイス、ホルテンの計10人が敵を待ち構えていた。
120の敵に対して、10人で対抗するのである………絶望的な数字だ。
ただ、君主からの命令であってもハンク達の顔に悲壮感は見られない。逆に彼等は、絶対に守り抜いて仲間を守るとの使命感に満ち溢れていた。。
正門を潜ったゴブリンは、少し異変を感じていた。
両脇に防壁と同じ壁が設置されており、細い一本道が出来ていた。
道幅は5mほどで始まったが、先に進むにつれて約3mくらいまで狭まりそのままずっと続いている。
平行して5人は進めるが、戦闘が始まれば剣が振れないため、戦う事を想定するなら2人がやっとだろう。
そして、先頭のゴブリン達の目の前にハンク達が立ち塞がっていた。
『『ギギィィーー!!』』
先頭のゴブリン達は横に5人程に並んでハンク達へ目掛けて走り出した。
そのゴブリン達に対して、ジェイク3人が目の前に大盾を構える。
『『『ウオォォォーーー!』』』
ジェイク達は連携して同時に素早く大幅一歩分前進して、ゴブリンの突進にカウンターで大盾を押し返した。
すると、先頭のゴブリンは攻撃のタイミングをズラされて大盾を顔面に受けてしまう。更に後続のモンスターも止まる事が出来ずに4列目位まで次々と激突する。
ジェイク達3人の持つ盾に凄い力が掛かるが、レベルカンストと盾術スキルレベル3の効果で、ゴブリン達を食い止める。
その隙にハンクとホルテンがジェイク達の盾の隙間を縫ってゴブリンへ攻撃を仕掛ける。
ただ、ゴブリンもタダで殺られてばかりはおらず、棍棒を投げ付けたり、足元に向かって棍棒を殴りつけたりしていた。
その頃、東防壁では。
夏達が到着して、絶望的な状況を立て直していた。ただし、厳しい戦いなのには変わりない。
『ファイアエクスプロージョン!』
後衛職のモンスターが密集していた場所にジーニャの魔法が直撃して30程のモンスターを葬り去る。
ジーニャは、少し体調を回復していたが、片膝を突いてしまった。
ただ、この攻撃が皆に勢いを付ける事になった。
『ジーニャがマジシャン系とアーチェ系の敵をやっつけてくれたぞ!此処からは敵の反撃を気にせずに一気に倒すぞ!』
夏達は敵の反撃を警戒しつつ戦っており、中々積極的に攻撃を仕掛けられていかなった。
『ウィンドカッター』
シードが放った魔法が最後のモンスターを倒した。
もう東防壁を襲って来るモンスターは居なくなった。
「「「『『『やったーーー!』』』」」」
夏達は大喜びである。
ただ、冬夜は配下の数を確認してその顔を歪めるのだった。
名前 : 海堂 冬夜(かいどう とうや)
レベル : 22/50
スキル : マイスペース【ユニーク】 レベル5
レベル1 : マイスペースに配下を召喚可能(42/50) ▽
冬夜の配下の数は更に減っていた。レア度を考慮すると配下数は37人だ。
この東防壁上に冬夜の配下が25人いるため、他の箇所では12人という事である。
(なお、人間の仲間は東防壁へ大体が集まっている。)
なお、戦闘職の配下カードの残数は0である。
どう考えても、他所の状況はマズイ……。
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