第106話
『ググオォォーーー!』
第三陣は、第二陣と同じ2つの部隊が正門目指して押し寄せて来た。
まだ、第二陣が半分(100)ほど残っており、モンスターは南防壁まで押し寄せている状況だ。
そこへ追加の200ほどのモンスターが迫って来ていた………。
今の状況を考えると、冷や汗が出てきてしまう。
「このままだと不味いな、作物が駄目になるが生きていれさえすれば何度でもやり直せるし……第二防壁を捨てるか………。」ボソリと独り言を漏らしてしまう。
しかし、周りの配下達は全然諦めていない。
やれる所までやろうと心に誓ったのだった。
敵の第三陣は、そのまま南城壁に向かって来なかった。
各1部隊(100)づつが左右に別れて東防壁と西防壁に向かっていった。
東防壁と西防壁には、各5人の配下と+αしか配置されていない。そんな状況でこの100人を受け止めるなんて無理だ。
『ネヒルル2人(A、B)は、配下9人を連れて、東防壁と西防壁に援軍に行って下さい。取り敢えず、私達が駆けつけるまで耐えて下さい。』とアーク。
『皆、何としても目の前の敵を殲滅して、東防壁と西防壁に応援に向かいますよ!』とアークが続けた。
「ジーニャ、出し惜しみは無しだ!俺もお前のスキル(全魔法レベル3)を借りて反撃するから、殲滅速度を上げるぞ!!」
俺は近くにいたジーニャに向かって呼びかける。
『わかったのじゃ。こんな統率が取れたモンスターの集団だから、上位種がいると思って温存して負ったが、仕方ない出し惜しみは無しじゃ!!いくぞ主、ファイアエクスプロージョンじゃ。妾は左、主は右の集団へ目掛けて放つのじゃ。』とジーニャ。
「わかった、いくぞ!!」
俺とジーニャが魔法の演唱に入る。全魔法スキルレベル3で使用できるようになる、広範囲殲滅魔法のエクスプロージョンだ。
大魔道士ジーニャでも連続で数発しか撃てないらしい。魔法使いでも無い俺は、2発撃つと暫く動けなくなるほど疲れてしまう。
「『ファイアエクスプロージョン!!』」
俺とジーニャの放つファイアエクスプロージョンが敵の密集する場所へ直撃する。
ジーニャの攻撃で30ほど、俺の攻撃で20ほどのモンスターを一撃で葬る事が出来た。ただ、俺はもう一発撃つと倒れてしまうので、打ち止めだ。
ジーニャの2発目のファイアエクスプロージョンは、更に20ほどのモンスター達を襲い死に追いやった。
ただ、ジーニャもこれまでずっと魔法を使っており、流石にもう1発は難しい様子だった。
『主、すまぬが妾はちょっと休憩じゃ。』とジーニャ。
南防壁の敵は残り20ほどになっていた。皆の顔にも少し希望が見えて来ている。
予備の配下カードは残り5枚だが、そのうち3枚はカリーナ(メイド術スキル持ちで戦力外)とクイック(審議スキル)なので、実質残り戦力は2枚分だ。
『ググオォォーーー!』
残りの1部隊(100)ほどが動き出した。
そして、後方にはオーガより2回りほど大きいモンスターが余裕を見せて佇んでいた。
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