第105話
大型モンスターは被弾を気にせずに正門に迫ってきている。
手には、大きな棍棒が握られている。棍棒と言っても丸太と同じくらいの大物を握っている個体がいる。
あんな棍棒で正門を殴られたら、直ぐにでも門が破壊されてしまいそうだ。
その時だった。
迫りくる大型モンスターが次々と倒れ始めた。
隣を見渡すと夏とネヒルルが巨大な弓を打ち出すバリスタを使ってモンスターを次々と倒していた。
このバリスタは、防壁の改良を行っている際にマイスペースの設置コストをあまり消費する事無く設置することが出来た。
そのため、正門防壁上に4機、各防壁上に2機の合計10機を設置している。
ただし、扱いが難しく、今のところバリスタを使いこなせるのは、狙撃スキルを持つ『夏』と『ネヒルル』だけだった。
狙撃スキルレベル2の『狙撃補正(小)』が命中精度を向上させているようだ。
『ググオォォーーー!』
またしても大きな声が聞こえて来ると、2つの部隊(200ほど)が正面門(南側防壁)へ向かって、押し寄せて来た。
第二陣は、先程の倍の数である。
更に厄介な事に飛行系のウィンドバードとロックバードも組み込まれている。
ウィンドバードは比較的素早いモンスターで動きを捉えるのは難しいモンスターだ。
それに比べてロックバードは素早く無いが防御力が高く、剣や槍などであまりダメージが入らなく、鈍器などで殴るしかダメージを受けない。
上空も警戒しないといけないのは、厄介である。
魔法、弓、バリスタでモンスターを迎撃するも殲滅速度が追いつかない……。
非常に不味い状況である。
攻撃の要である魔法使いが弓矢やロックバードの突進攻撃によって殺られていく……。その度に配下を召喚するが……、予備で保有している配下カードが残り16枚となった。既に殺された配下は5人となる計算だ………結構なペースだ。
こんな状況に陥ると全然思って居なかったので、配下のレベルを上げてしまって、配下カードの予備保有数を全然考えていなかった。
ここまで大きな侵略があるなら、マイスペースの強みを活かして配下が『殺られたら補充、殺られたら補充』を繰り返せば良かったかも知れない………。
ただ、こんな人間味のある配下なので、使い捨ての様に使うのは心が痛むが………皆を、拠点を守るためには致し方ない………。
後衛に被害の出る厄介なロックバードをハンク☆☆とジェイドが突進を防ぎつつ、その隙きを突いてダンベ達が鉄の棍棒で叩き潰す。そうして、徐々にロックバードの数を減らしていった。
ただ、上空にばかり気を向けていると、迫りくるモンスターの殲滅が追いつかない。
そのため、防壁上へ登ってくるモンスターが出てくる。そこにこれまであまり活躍出来なかった、前衛職の皆々が対処してどうにかモンスターを迎撃する。
南防壁上も戦場になりながらも、どうにか南防壁の崩壊を止めていた。
敵の第二陣(200)も約半分ほどを殲滅した頃……。
『ググオォォーーー!』
三度目の雄叫びが上がると、またモンスターの波が押し寄せてきた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます