第104話
カンカンカンカン!
明け方に突然の緊急事態を知らせる鐘が鳴り始めた。隣で寝ている秋実さんを起こし、俺だけすぐに着替えて会議室に急いだ。
既に幾人かは集まって状況整理を行なっていた。
『冬夜様、南の正門側―――山の麓側からモンスターの大群が現れました!100や200じゃありません。少なくとも500以上はいると思われます。更に統率が取られているので、上位種の存在が考えられます。』とアーク。
『さっき通信魔道具で連絡が入ってパラディスもここ以上のモンスターの大群に襲われている様です。少なくとも1,000以上かと。』とジェイド。
「まずはこの拠点の事を死守する事だけを考えろ!! 後どのくらいで第二防壁にモンスターは到達するのだ?」
『報告だと大体20分くらいかと思います。』とアーク。
『防衛の状況ですが、警備にあたっていた5人が南側の第二防壁の上で待機しているだけです。至急応援の人員を送って第二防壁にてモンスター共を迎え撃つべきです!』とジェイド。
そこへ続々と拠点の仲間が集まって来る。
「至急、
子供達と非戦闘職の皆は、後方支援や各自出来ることをやってくれ!
なんとしてもこの拠点を守り抜くぞーー!!」
「「「「『『『『うおおぉぉーー。(はい。)』』』』」」」」
一斉に各持ち場へ向かって移動して行く。
「秋実は、一旦ここに残って他の人達にさっきの指示を伝えてくれ。大体目処が付けば、後方支援に行ってくれて構わない。」
「わかった、冬夜も気を付けてね。必ずこの場所を守り抜きましょう!!」
秋実と軽く口付けをして南側の第二防壁上へ向かった。
――――――――――――
南防壁上からモンスター達を眺めている。
この数ヶ月間、ここまでの大群からなる侵略を受けた事は無い………。
一斉に襲って来るのではなく、きっちりとした隊列は取られていないが、100ほどの6つの部隊が出来ている。
単純に押し寄せて来たくれた方がまだ良かった。
『グオォォー!』
大きな声がすると1つの部隊(100ほど)が正面門(南側防壁)へ向かって、押し寄せて来た。
上位種の存在は見られないが、ウルフ、ゴブリン、オーク、オーガなど多種の混合部隊からなるモンスターの集団だ。
アークの指示下で、第一弾の周辺攻撃系の魔法がモンスターを目掛けて飛んで行く。
あちこちで大きな爆音が鳴り響く。
続けて、少し足が止まったモンスター達へ向けて第二弾の弓矢が飛んでいき、着実にモンスターの数を減らしていく。
ただ、モンスターも黙って殺られている訳ではない。
ゴブリンアーチェやゴブリンマジシャンなどの遠隔攻撃を得意とするモンスターも混じっており、俺たちは反撃を受けている。
更に大型のモンスターは体力も高く魔法や弓矢を数回叩き込んでも倒れなかった。
その大型モンスターは多少の被弾を気にせずに10以上の集団を形成して正門をこじ開けようと迫って来ていた。
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