第91話 ※2033年7月下旬〜
なぜか、新谷と加賀の他に拠点の人数が7人増えることになった。
結果として、拠点の為になるので良かったがまさかガラムが動くとは思わなかった。
・・・・・・・
ガラムは櫻鉄組を潰した後、組長に玩具にされていた女性3人を支援していたそうだ。
助け出した人の中には、3人以外にも櫻鉄組の風俗店で半強制的に働かされていた女性も居た。ただし、そっちは、櫻鉄組の他拠点を潰して回る為に時間が無かったので若松さんに保護を押し付けた。中には一部自分の意志で風俗業を続ける者もいた。
ガラムが支援していた女性は3人とも同じ様な時期に組長専用の玩具として用意された様で、唯一の救いは不特定多数に廻されることが無かった事だ。避妊はしていなかったが、異世界製の避妊薬を使用していたお陰で妊娠はしていなかった。
そして、ガラムが俺の前に来たのだ…。
『冬夜殿、一つお願いがある。この前の櫻鉄組で助けた女をここで匿ってくれないか?』
「やっぱりその話か……。ガラムが来た時から大体想像していたが……思った通りの願いだな。」
『まあ、あいつ等も大変な目に遭っても絶望せずに頑張っていたから、手助けしたくなってな。』
「まあ、そう言った人は嫌いじゃ無いけどな。お前も知ってると思うが、此処に住むと言うことは、何かあった場合に背中を任せる事になる。だから、信用が置ける奴しかおきたく無い……その点は大丈夫なのか?」
ちょっと、歯切りが悪そうにガラムがしている。
『いや、その点は……まだ、調べ切れて無い……。』
そこへアークが会話に入って来た。
『冬夜様も人が悪い。その点は例の彼のスキルでいか様にも確認出来るではありませんか。』
「まあ、そうなんだけどな。ガラムがどこまで本気なのか知りたかったんだよ。」
『何だよ、確認のしようがあるのかよ!だったら、確認して見ようぜ。一応、あいつ等に移転の意志があるかは確認してあるんだよ。』
『確認のやり様はありますが、一時的な確認ですので、多少の不安要素が残るのですよ。』
「そうだ、その時点での意志を確認出来るが、その後不満等が溜まった場合、再度スキルで確認しないとその変化までは捉えられない。」
『そうなれば、定期的に確認すれば良いだろう!』
ガラムは脳筋的な発想をする。
『確かにそれも手ですが、それだと女性達が良く思わないでしょう!常に疑われていることになるんですよ。』
『………確かにそれは良く思わないな。』
「まあ、そういう事だが、ガラムの気持ちも分かった。一度彼女達の意志を確認しに行くか!」
『流石、冬夜殿だ。話が分かる!早速、彼女達へ伝えて来る!』
そう言って、ガラムは野菜を卸す運搬業務の護衛任務のついでにパラディスへ向かって行った。
そう、つい最近の事、久々にガチャで☆3を引いたのだ!それも都合が良いことに今回の確認に役立つ様なスキルを持つ配下だった。
名前 : クイック ☆☆☆
レベル : 1/30
スキル : 審議 レベル1
173cmほどで痩せ型、神官風の格好をしたイケメン好青年。
戦闘系のスキルでは無いが、クイックは審議スキルと言って珍しいスキルを所持していた。
審議スキルとは、自分がした質問を相手が『いいえ』で答えると、それが嘘か誠か分かるというスキルだった。今後、仲間を増やす場合にカギになるスキルだった。
質問の仕方次第で、相手の敵意を探る事が十分に出来るのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
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