第88話
俺はとうとう新谷達を苦しめていた元凶である櫻鉄組の本部までやって来た。
これまで、配下の仲間達と共に櫻鉄組の拠点を次々と潰した。時間を掛けすぎると相手が逃げてしまう可能性があったので、なるべく迅速に拠点を潰して回った。
それとこれ以上この組織によって不幸になる者が少しでも減ればとの思いもあった。
と言いつつ、仲間に櫻鉄組の本部を見張らせていたので、どの道この悪党達をこのまま逃すつもりは毛頭ない。
仲間の報告によれば、組長達が逃げ出す前に間に合った様だ。
先頭のハンクが櫻鉄組の本部の扉を壊して侵入する。それに続いて俺達も順々に内部に入る。
「だ、誰だお前等わ!」
見た目50代後半の170cmも無さそうな小太りのおじさんが叫んできた。多分この人が
『あんた等に恨みを持つ者の仲間だよ。』とガラム。
『まあ、そう言うことなのじゃ。妾は急に襲われたので、その御礼も含まれておるのじゃ。』とジーニャ。
『観念するのだな。お前等の悪事は既に色々な者から聴いている!我々はお前等を許す事が無いだろう。』とジェイド。
「まあ、そう言う事だよ組長さん方。こんな世界になったんだから、周りの人と協力して生きれば良いのに……。賭博、恐喝、暴力、強制わいせつ、違法風俗業など色々とやってる見たいだね。うまい話に乗って騙されるの
すると組長の後ろから、見た目40歳、180cm程でガッチリしたガタイの男が組長の前に立ち塞がった。報告だとコイツが若頭って所だろう。
「そんなのどうだって良い。それより、俺等に向かってふざけた事をしてくれたな。こんな事したら、どうなるか分かったんだろうな?」
「どうなるかって………、お前等が潰されるのだろう!俺等はその為に来たんだから、それ以外にあるのか?」
「っち、ふざけた事を!お前等が生きて此処から帰れないって事だよ!」
俺がわざとトボケタ事に対して、若頭はちょっと不愉快になって大声をあげた。
「そう言われても、現状あんた等は既に俺達によって壊滅状態だろ!どう考えても、あんた等に勝つ見込み何て無いだろう。」
「このままならそうだろうな。おい、連れて来い!」
若頭が部下に何かを命令すると、その部下は裏口から外へ出て行った。
そして、少しすると1人で戻ってきた。
「若頭……、寝てます……。」
「うん?何が寝てるんだ、そんなの叩き起こして来い!馬鹿野郎が。」
若頭が部下を軽くシバク。
「いや、前川原組の皆さんは裏で誰かに潰されて寝てます……。」
「っは!?馬鹿なこと言うな……。」
「あー、言い忘れてたが、前川原組には潰れてもらったぞ。若頭のあんたが変な動きをしてたんで、取り敢えず裏で待機してた奴等は、生死を問わずに倒させてもらった。この場に来るのが遅れたのは、それが理由だ。」
『これまでの事を悔い改めるのであれば、四肢の2〜3本で許してやってもいいぞ。』とガラム。
かなり恐ろしい事を言っている。
とここで、組長は何を思ったのか近くの女の首にナイフをかざして脅して来た。
「きゃ。た……す…けて。」
「うるさい騒ぐな。おい、お前等コイツがどうなっても良いのか?コイツを無事に返して欲しければ、道を開けろ!」
「………。」
『『『………。』』』
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