第85話
悪党のリーダーが命乞いをしてきた。
「す、す、すまなかった。何でも話すから、命だけは助けてくれお願いだ。」
「まず、顔を覆っている布を取れ。」
悪党のリーダーはすぐに布を取った。
「新谷と加賀はコイツの顔を見たことあるか?」
「……いやないっすね。」「自分も記憶にない。」
「そうか分かった。」
俺は次に悪党のリーダーへ向きを変えて話し始めた。
「俺達にとってほしい情報だったら、無事に開放してやる。誰に何の目的で雇われた?」
「俺達は仲介業者からの依頼で動いた。依頼の内容はそこの2人の始末だ。自分達の仕事から抜けて別の場所で運搬業を初められると色々と不味いからと口封じで依頼したようだ。それ以上は、何も知らない…。」
「……本当にそれ以上何も知らないんだな?」
「………ああ、それ以上は何も知らない。だから、頼む開放してくれ。」
「わかった。じゃあ、あっちのうるさい奴にも話を聞いて、お前の方が有用な情報だったら、開放してやるとするよ。ちょっと待ってろ。」
俺はそう言って足が折れて地面に転げ回っている男の方へ移動しようと立ち上がった。
「ま、待ってくれ!!関係無いかも知れないから言わなかったが、俺達の組織の情報だ。今回は仲介業者から依頼だったが、そもそも俺達が所属しているのは、櫻鉄組って組織だ。そして、この櫻鉄組が元締めとなって、下部組織に俺達の『始末屋』、『運搬業』、『仲介業』、『賭博業』、『風俗業』などを仕切っている。このパラディスの第三層、第四層の界隈を裏で取り仕切っているのは、この櫻鉄組だ。」
「ほぉ〜〜、そんな大事な事を隠していたのか!?」
「いや、関係無いと思って話さなかっただけだ。決して隠していたのじゃない。信じてくれ。」
「じゃあ、潜伏先を全て話せ。元締めから下部組織まで全てのだ!!あっちの奴の情報と照合して全て一致していれば、特別に2人とも開放してやる。」
「ほ、本当か!?」
「ああ、ただし一つでも間違っていたら……ジーニャに任せるわ。」
『わかったのじゃ。その時は悪党をやっつけるのじゃ。』
ジーニャが悪党のリーダーへ向けて掌を掲げると、悪党は震え上がった。
「ひっいぃ〜〜。」
その後、悪党2人から櫻鉄組のこれまでの悪行、組織体勢、潜伏先等の情報を可能な限り収集した。
「約束が違うじゃないか。すぐに開放してくれるって話だっただろう!」
「約束は破ってないぞ!俺は『俺達にとってほしい情報だったら、無事に開放してやる。』って言ったんだ。すぐに開放してやるなんて言って無い。それにまだ、本当に聞いた情報が正しいか確認して無い。今からお前等の情報が正しいか確認して周るから後2〜3日待ってろ。」
俺は、すぐに拠点へ戻って配下を連れてきて聖域都市パラディスの膿を出すために動き出すのだった。
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