第82話 ※冒険者ギルドの説明あり
新谷さんと加賀さんにオーガとオークの納品をお願いしている。
本当はもっと多くのモンスターを納品したかったが、収納スキルの容量の問題でこれ以上持ち込めなかった。
俺達は引き続き冒険者の説明を受けている。
「冒険者には、3つの階級が存在します。
【銅板】:初級冒険者
【銀板】:中級冒険者
【金板】:上級冒険者
階級によって、受けられる
また、任意ではありますが、行動を共にする者同士で
1つ目は手続きをスムーズに進める事です。PTの代表者がクエストの受注・報告をすれば、報酬の口座振込や冒険者の実績登録が均等に出来ます。
2つ目は知名度です。個人名でも名を馳せる事はできますが、PTを登録した方が大きな仕事を達成した際に世間へ功績の浸透するスピードが早まる傾向にあります。
3つ目は高額依頼の受注割合が増える可能性があります。これは2つ目の知名度にも関連しますが、知名度が上がれば貴族や商人等から高額の指名依頼が入る場合があります。また、冒険者ギルドからの信頼度が高まったPTへは、高額で重要な依頼などを優先的にお願いする場合があります。 取り敢えず、簡単な説明は以上となります。」
「ありがとうございます。ではこの8人でPTの申請をお願いします。PT名は、取り敢えず保留でおねがいします。」
「分かりました。ここの8人でPT申請し、PT名は
「はい、それでお願いします。」
周りのPTは俺達の事を見つつ、『オーガ4匹の討伐か!新人なのに中々やるな。』『是非ウチのPTにも勧誘したいが、既にPT申請まで済んでしまったか……。』『あの巨体の男は中々やりそうだな。』などと噂話をしていた。
暫くすると新谷さん達が戻って来て、それと同時くらいに冒険者ギルド証【銅板】を受付の女性から受け取った。
・・・・・・・・・・・・・
宿を取って、新谷さん達含めて宿の食堂で夕食を取っている。
魔石の売却益もあり資金的には余裕があるので、追加で色々な料理と久々の酒も頼んでいる。
異世界のビールは、常温で炭酸も無く不味かった……。そういったお酒だと割り切って飲めば良いのかも知れないが、日本のビールを知っている俺は異世界のビールを受け付けなかった。
美味しかったお酒は、充実した果実酒だった。
ブドウは『ワイン』、リンゴは『シードル』、洋ナシは『ペリー』、パイナップルは『テパチェ』など様々な種類の果実酒があった。蒸留方法も様々で、アルコール度数も高いものから低いものまで多岐に渡った。その手間暇の分、値段に跳ね返ってきてお酒1瓶あたりの値段は、銀貨1〜2枚ほどであった。
料理は、塩と胡椒だけとシンプルだったが、兎に角オーク肉が美味しかった。また、野菜も新鮮で、初めての味や食感の物があり色々と楽しめた。
配下達もお酒を楽しみつつ各々で会話を楽しんでいる。俺はやっとジーニャの絡みから開放されて、新谷さん達の輪に混ざって会話を開始し始めた。
「そういえば、新谷さん達ってゲーム仲間だったんですよね?」
「そうっす。ファイナル◯◯◯オンライってMMORPGのゲームっす。」
「おぉ〜〜それは俺もやってたゲームですよ!!懐かしいですね。結構ハマってて、仲間と固定PT組んで時計台の裏ボスのドロップ集めを頑張ってました。」
「奇遇ですね。自分達も固定PTで時計台の裏ボスのドロップ集めしてましたよ。全員分の素材がもうそろそろ揃うって時にこんな事になってしまって……。」
「そうそう、時計台のボスは結構耐久が高くて攻撃力も強いっすから大変だったっす。それにボスを倒してもランダムで素材を落とすから素材集めはかなり被たっす……。」
「そうです!競争率も激しくてボスが湧く時間帯になると争奪戦でしたよね。でも、あの時計台の裏ボスの必殺技封じがあるの知ってましたか!?」
俺は自慢げに2人にバグ技を説明しようとした。そうしたら、2人が急に目を見開き驚いた表情を浮かべた。
「……周辺MP回復薬のキャンセル技っすか?」
「知ってましたか!あれ、本当にこの世界になる前にたまたま見つけたんですよ。俺達が最初だと思ってたんですが、他にも知っている人がいましたか!!
下級の周辺MP回復薬の対象者を選んで最終決定時『はい』『いいえ』の最中に一度キャンセルして、再度使用者の対象を選ぼうとするとボスも対象可能になって、ボスを選択するとボスには使用せずに、ボスの最も近い仲間に周辺MP回復薬を投げつけるんです。でも、そのMP回復薬の範囲にボスが入っていると、なぜか敵であるボスのMPも回復して必殺技を出せなくなるんです。 あの裏ボスは、HPとMPが半分以下にならないと必殺技を使用しないので、MPが回復するので結局必殺技を出せず殺られるって訳です。」
「そのバグ技ってまだネットに載せてなかったので、自分達しか知らないはずですよインヴェルノ!。」
「っえ、何でその名前をって………。」
「そうっすね、僕のゲーム名は『リンク』っす。」
「自分のゲーム名は、『ラクリマスター』ですよ。」
「っえ、え、え。2人って、『リンク』と『ラクター』だったの!?」
新谷さんと加賀さんは、俺が数年間ずっとMMORPGで共に過ごしていたゲーム仲間だった。そしてそこから、オフ会となり3人して当時のゲーム話に花を咲かせた。
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